パパスリア戯《おどけ》はなし~小人の少年見聞記~

 僕は、この小さな村から出たかった。

 草木が生い茂り、鳥が鳴いて、虫達が恋の歌を歌って、のどかで良い所。

 でも季節以外何も変わらない。

 世界は広いと聞いた。

 僕達と違う人達が居ると聞いた。

 お爺ちゃんは止めるけど、僕は雪之丞ゆきのじょうを連れてここと違う光景を見るんだ。


「行こう、雪之丞ゆきのじょう」「ちゅぅ~」

 たた。たた。たた。森が途切れる。

 ずぅ~ん。ずぅ~ん。「なっ、なんだっ」

「やだもぉ~」「ちょっ、やめて」

 でっかいパンツを穿いた女の子が二人。

 ぱんぱんぱん。「見て見て見てっ、足元っ」

「きゃっ、…しっ、白いねずみ、に乗った小人さん?」

 絶景だ。

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