宇宙船PAMS

宇宙船PAMS

 惑星テラで歌い踊り、人々から熱狂ねっきょう賛辞さんじを受けた、アイドルと言う3人。

 太陽系全域に及ぶ事務所フォースの外に出て、もう一度自分達の歌を歌い届けるため、太陽系外を目指めざし旅だって半世紀。

 すでに生物的存在は寿命がき、あらかじめプログラムされている太陽に向けての宇宙葬うちゅうそうっていた。



 彼等の任務はテラ外知的文明の探査たんさ

 彼等は探査たんさクルーではない一般人であり、宇宙船PAMSはこの事を考慮こうりょする必要があった。

 人工重力を得られるドーナツ状の居住区、穴の中心にロケット、二つをつなぐ4本のアームで構成され、ロケットを軸に回転する。



 質量が大きいため、月から惑星テラ最強のエンジンで定率加速を行っても、速度が得られず木星、土星の重力で加速スイングバイを行ってもまだ速度は不足していた。

 最終加速は3人が息絶いきたえ切り離しが行われた時、太陽に落下する軌道であるタイミングで居住区がパージされ行われた。



 最終速度は、事務所フォースの境界きょうかい到達とうたつするのがやっとである。

 ロケットはエンジン、姿勢制御スラスター、コンピューターがメイン3台、バックアップ3台が乗せられた。

 居住区で普段通りの生活をし、テラと交信も行い、彼等はバックアップに自らの人格を死ぬ間際まぎわまで学習させた。



宇宙船PAMSは太陽観測を行い、事務所フォースの境界きょうかい到達とうたつした事をトリガーに、コンピューターのバックアップ3台がメタバース空間を構成。

 しよつ3.0、うろご3.0、ごんし3.0、彼等が目覚めた時、バックアップとメインが切り替わり、太陽系と共に銀河の旅をする。



 「惑星テラの皆、オハー! それじゃ、聞いて下さい。夜空ノムコウハ宇宙」

 宇宙船PAMSの声を聞いてくれるテラ外知的文明がある、人類が孤独で無い事を証明するため、ボイジャーと同じ様に求め続ける。


おしまい。


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