第109話 王都に到着
まもなく夕暮れとなった頃。
王都に到着した。エリーゼ様に教えるだけ教えた後、ここまで馬車の中でゆっくりと休めたので良かった。
何故かエリーゼ様は頬が膨れてた。何故か聞いても原因は教えてくれなかった。
きっと馬車が激しく揺れて機嫌が悪かったのだろうな。俺は寝てて気付かなかったけど。
検問も辺境爵家の馬車という事で簡単に点検してスルー出来た。
このまま貴族街に向かい、辺境爵邸へ。
二日後の受験日まで泊めてもらうのだ。
「エリーゼ、エドガー、よく来たな」
「ただいまですわ、父様」
「お世話になります。よろしくお願いします」
俺とティナで頭を下げる。
「エドガーは合格したらどうするんだ? 寮に入るという訳にもいくまい?」
「あー、家を購入しようかと思ってます。あとロキソとフルルも来ますので」
「ほう、では不動産屋を紹介してやろう。セバス」
「はい、ご用意出来ております」
相変わらず準備が早すぎるスーパー執事のセバスさん。
「こちらの不動産屋が良いかと思われます。ウェストール家からの紹介と伝えれば対応良くしてもらえると思います」
「ありがとうございます」
セバスさんから地図を預かる。そんなに遠くないんだな。歩いて行くか。
「面白そう!! 私も行きたいですわ!」
「お嬢様は勉強の仕上げを‥‥‥」
「ひぃーん! ひどいですわ〜!!」
「私は翌朝予定がありましてので先に不動産屋に向かってくださいませ。終わり次第合流しますので」
「わかりました」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「こちらをお使いください。何かありましたらこちらのベルをお鳴らしくださいませ」
部屋を案内された。見事な程綺麗な部屋だ。ベッドもふかふかだし。
「明日もある事だし、早めに寝るとするか‥‥‥」
「そうですね、お手伝いいたします」
「うん、助かる‥‥‥ってティナ!! なんでいる!?」
「私とエドガー様は一心同体ですから‥‥‥。久しぶりに一緒に寝ましょうね!」
「いや、寝ないから‥‥‥ってなんだ、そのニヤリ顔は?」
「ふふふ、エドガー様。力で私に敵うと思っているのですか? 甘いですね。こうなれば力尽くで‥‥‥」
やめろ! ここはテオドールじゃなくて辺境爵邸だぞ!?
だが力で勝てるわけもなく抑え込まれる。
「あぁ‥‥‥、2024日ぶりですね‥‥‥」
日数までカウントしてんのかよ!
なんとか手を伸ばしてベルに手を伸ばす。
「くっ‥‥‥、あと少し‥‥‥」
「はっ! させません!!」
俺とティナの手が絡み、ベルが床に落ちる。
チリーン!
‥‥‥コンコン! ガチャ!!
「すみません! 襲われてます!! 助けて!!」
「なっ! エドガー様、人聞きの悪い事を!!」
ティナは俺から手を離して解放した。
セバスさんが騒ぎを聞きつけてやってきた。
「‥‥‥ティナ様はこちらの部屋をご案内いたしますので」
「‥‥‥はい。ありがとうございます」
苦虫を噛み潰したような顔のティナはセバスさんに連れられて出て行った。
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