第71話 ボス討伐の報酬

 ゴーレムに使われてた魔法陣はあらかた調べ終わった。

「あれ? そういえばみんなは?」


 ティナがため息を吐いて応える。

「お宝を探すために奥に行きましたよ。返事してたのに覚えてないんですか?」

「この魔法陣に夢中だったからな」


「エドガーさまー」

「ほら、フルルちゃんが呼んでます。私たちも奥に行きますよ」

 ティナに促され奥に向かった。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「さっきの門と同じような文字が書いてあるの。みんなわかんなくて‥‥‥」

 日本語で書いてあるんじゃわかるはずないよな。地球だって外国人なら読めないわかんない人ばっかりだろうから。


「エドガー! この奥を調べたいんだけどまたこの文字さ。頼むよ」

「聞いたよ、どれどれ‥‥‥」


『我は梅と桜と藤なり 最も強き者のみが誉れを得たり』

 

 梅と桜と藤‥‥‥。

 これは‥‥‥花札だな。おそらく『オイチョカブ』だ。

 ブラックジャックの様に花の月の数字の合計で9に近い方が勝ちだ。相手は‥‥‥梅(2) 桜(3) 藤(4)で合計で9(カブ)じゃないか。


 向こうが親だとして最高の数字のカブ(9)に勝つにはアラシという役しかない。アラシとは同じ数字のゾロ目という役だ。

 そしてアラシの中でも一番強いやつにしてやるか。3に三回魔力を流す。


ギギィ‥‥‥!!! と音を立てて開いた。


「さすがエドガーだ!! 中に入ろう!」


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「なんだこりゃ‥‥‥?」

「ただの豆じゃねぇか!? こんなもんがお宝なのかよ?」


 奥からマールとバッツの声が聞こえる。


「なんだ? どうした?」


「変な豆が大量にあるんだ」

「あと本がある。俺たちは読めないけどな」

 トライが差し出してくる。


「『大豆指南書』‥‥‥、ってコレって全部大豆か!?」

 驚く俺の反応に驚くみんな。


「エドガー? 大豆ってなんだ?」

「そんな騒ぐような豆なのか?」


 なんてこった! 

 オリザ以上の発見なのに!!

「いや、これが落ち着いていられるか!? 大豆だぞ!?」

「エドガー様、皆さま大豆がわかりませんから。私も含めまして‥‥‥」

 ティナに嗜められた。


「‥‥‥‥‥‥あぁ、そうか。すまない。とりあえずこの大豆は持って帰るから。みんなで運ぶのを手伝ってくれると助かる」

 俺一人じゃ大して持って帰れないからな。


 その後無事テオドール村まで持って帰れた。

 みんなはがっかりしたような表情だったけど俺だけは大満足の冒険旅だった。

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