第4話 なぞの出来事。

 大学の授業は真面目に取り組んでいる彩音。ノートをしっかりととり、メモや後ほど聞こうとしている質問、自分なりの解釈等をしっかりとまとめている。それとは逆に由香はばれないようさぼっている。

「ちゃんと受けたほうがいいよ」

 隣の床に助言をする。

「いいよ別にこの授業楽しくないし」

 スマートフォンを触る由香。

「まったく。またノート見せてとか言わないでよね」

「ごめん見せて」

「はぁ」

 由香には彩音という完璧ノートを見せてくる人がいる。長々しいことが嫌いな由香はノートを見るほうが頭に入るのだ。そのため、授業は不真面目でも成績はそこそこ良いのである。

「昼どうする?」

「お弁当作ってきたんだ」

 彩音が二つお弁当を出してきた。

「おっと彼氏用は私がもーらお」

「あ、っちょと。別にいいけど。その言い方はやめて」

 顔を赤くする彩音。智也と会話をした次の日はお弁当を二つ作ってくるのが日課である。

「ほんとできた女と決定しているとか、彼氏君最高だね」

「だからまだ、彼氏じゃないって。すぐに彼女作るかもしれないし」

 あわてて否定をした。

「それはくず男だね」

「例えばだよ。とも、彼がそんなことするわけないから」

 さらに慌てて訂正する。智也に彼女ができるかもしれない。それは可能性がないわけではない。卒業まで待たせている。その間に別の女の人とお付き合いしていても悪いのは自分だから止めることもできないのだ。


 昼食を終えた二人は中庭のベンチに座った。

「ここでお昼とればよかったね」 

 今日は暖かく日が気持ちいと感じれる気候である。外でお昼をとるにはもってこいである。

「そだねー」

 ぐったりとする由香。

「このまま寝ようかな。時間になったら起こして」

「わかったよ」

 由香は目をつむった。

 さきほどの授業の復讐をしようとノートをバックから出そうとする彩音。しかし、ノートがバックの中にはいってなかった。昼食をとるときに机の下に置いていたのだ。次の講義は別教室であるため、すぐにとりいいったほうがいい。そう思った彩音は書置きをしてとりにむかった。

 教室に戻り座っていたところに向かった。机の下をみてものすごく驚いた。ノートは確かに見つかった。だが、ひどいこととなっていた。はさみやカッターなどで割かれている。そして、真っ黒となっている。触れるとまだ乾いておらず手を黒くする。ペンキにつけられたようだ。

「ひどい。なんで」

 彩音がくやしがっている光景を確認した男が教室を出た。


「おいおい。泣きそうになってたぞ」

「まじか!たかがノートでそこまでなるとは真面目ちゃんだね」

「ちょうどノートそのままにしてるの見えたからやってみたけどいやー爽快」 

「次何しようか」

「もっとおいつめてだな」

 彩音は標的とされさらに過酷な毎日に直面するのであった。

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