第3話 大学の彩音

 朝は早起きし朝食を作る彩音。ごはんにスープ。卵料理が彼女の日課である。その間にもイヤホンでは英会話ようのリスニング用の音楽を聴いている。

 

 服を着替えると大学に向かう。大学には寮からでているバスに乗って向かう。

「あや。おはよ」

「おはよ由香」

 佐藤 由香 。ショートヘアが特徴の明るく笑顔をたやさない彩音の友達。彩音が陰よりなのに対し由香は陽のため、彩音をつれまわしている。二人は大学でたまたま席が近くだったことから意気投合し仲よくなった。

「まーたくま作って」

「昨日は寝れなくてさ」

「また彼氏?」 

 彩音は智也と話すとテンションが上がり寝る時間が遅くなる。その時も勉強をしている。

「だから彼氏でないって。幼馴染」

「でも付き合う約束はしてるでしょ」

 智也のことについては面識はないが、彩音が自慢げに話しことが多いため由香もよく知っている。

「そうだけど」

「っま。人の恋に首突っ込む気はないけど。そういえば見たよ。またすごいことしたんでしょ」

「違うよ。あれはたまたま先生の目に留まっただけ」

「外見、内面ともに優秀。それに秀才の完璧さすがは有名人」

 彩音はすべてが完璧なのだ。見た目は誰もが認める可愛さを持ち、どんな人にでも優しい。成績もよい。多方面から彩音は注目が集まっている。

「有名人って」

 彩音も努力が認められることは満更でもない。

「そんな人の完璧な人と友達になれてうれしいぞ」

 彩音に抱き着く由香。

「わたしも知らない世界教えてくれる由香が好きだよ」

 彩音は努力家で人間関係にも恵まれている幸せ者だ。

 しかし、そんな幸せな由香をよく思わないひとたちもいないわけではない。


「あの女」

 いら立ち机を蹴る男性がいる。

「高嶺だっけ。ほんとあいつうざいよね」

 同じ部屋内にいる女性。

「あいつがいなければ俺がトップなんによ。何もかも奪いやがって」

「いるよね。人の努力をねじ伏せる天才って」

 二人は深く彩音を嫉妬していた。自分たちの出世の邪魔をするものとしてとらえている。

「おいやばいぞ」

 一人の男性が走って部屋に入ってきた。

「どうしたんだよ」

「彩音がコンクールの推薦受けたって」

「はぁ。ったく。まじでうぜー」

 さらにいらだちをみせる。

「ならさ。いっそのこと。追い出しちゃう?あっしたちでさ」

「それ面白うだな。追い詰めて居場所奪えばいくらあいつでも」

「もちろん協力するぜ」

 三人は彩音を追い詰めるために結託をする。

 彩音の幸せな学校生活は亀裂が入り始める。

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