第4.5話 揺れる場所の中で
勇者たちに見送られた後、俺たちは荷馬車に乗って移動する。
どうやら家からシャルスト学園までの距離はかなりあるみたいなので、乗り物を使うようだ。
乗っている間、ガタガタと大きい揺れを感じながら俺はどう戦ったら勇者に勝てるか戦略を練っていたが、なかなか良い策が思い浮かばない。
俺は今魔王ではなく、人間のガキだ。
貧弱な身体に加えて、魔法を数発放っただけへばってしまう魔力量。
勇者と倒すには実力がなさすぎる。正面で戦っても勇者に返り討ちにされるだろう。
「なら鍛えるしかないな」
勇者を倒せないなら倒せるまでに鍛えればいい。
魔力切れになってしまうなら、ならないように鍛えればいい。
簡単なことだ。
「……うーん」
「……」
突如左肩に重くなった。
横を見るとルティアが寝ていて俺に寄りかかっている。
「おい」と左肩を動かし起こそうとするが、熟睡している。
「ユウ……今日から……私のパシリだから……」
「誰がパシリだ。貴様ごときが命令するなんて100万年早い!」
「へへへ……私の肩揉んで」
「誰が揉むか!っていうかさっさと起きろ!あとよだれを垂らすな!」
いくら体を揺らしてもルティアは目を覚ますことはなかった。
このまま永眠させてやろうか。
魔王、勇者の息子になる @hironi123
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。魔王、勇者の息子になるの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます