第37話 アトリ
「そろそろ本題に戻しましょ! なんで彼女が能力を持っていたの? あれは――――」
『女神が転生者に与えるチート能力と同じだから』と続けようとしたのだろうが、プリメーラが女神という事はフィンが魔王という事と同じくらい秘密なことに寸手の所で気が付いたプリメーラは慌てて口を閉ざした。
「転生者で知らない人がいるとは初めて知った......あれは【世界】に選ばれた一握りの者しか使えない能力。通称
ガリアさんの言う事にゃ、
それはもう世界の理をねじ曲げるようなクソ強能力の人間がほとんどのようで、持ってる人間と持っていない人間では、それはそれはデカい壁があるそうだ。
オマケに異世界人は全員持っているらしく(俺が貰い忘れただけである)それを持っているから異世界人は勇者と名乗れるのだと! 俺も勇者やってみたかった!
勿論異世界人だけが持っているという訳では無く、現地人にも(総人口から見れば)多少はいるらしい。
要はヴィフラムの凄い爆発と、サイリスの見えない攻撃は
「多少......とは言っても、この世界の強者は大体持っていると考えてくれて構わないぞ!」
「局長、俺持ってないですけど......」
「ジブンも恐らく無いですねぇ」
「いや、お前達は......無くても十分強いだろ......」
ガリアの持論は一瞬で打ち砕かれたようだが。
ガリアの説明を聞いて、プリメーラはまた黙ってしまった。ちょっかいを掛けても反応しないので放っておくとしよう。
「今回はまぁ......お前らにも迷惑をかけた。これは詫びだ」
「なにこれ......重っ」
ルークから渡されたのは、大量の瓶詰めの何かだ......黄金色でとても甘い匂いがする。
「局長秘蔵の蜂蜜だ。受け取れ」
「要らねーよこんなもん!!!! どう使えと!?」
そんなこんなで、フィンのお散歩から始まった騒動はこれで一旦幕を閉じたのだった。
次の日の朝――――
「トウヤトウヤトウヤトウヤぁ!!!! 見てこれ!!!!」
誰よりも早く起きたプリメーラがバタバタと俺を叩き起す。昨日のシリアス雰囲気は一体どこへ忘れてきたのやら。
「朝、五月蝿い、おれ、ねる――」
「ちょっと寝ないで! 見てよこれ!!!!」
例の如く顔面に叩きつけられたのは本日の朝刊だ。
今日俺に最接近しているのは、冒険者ギルドの依頼の欄である。
「......『緊急クエスト ファストレア大森林の主を追え! 捕まえた方には金貨1200枚......』金貨1200枚!? 日本円換算で――――1億2000万円だとぉぉぉぉ!?!?」
わくわくトレジャーハント編! スタート!!
――――あとがき――――
次回から新編のわくわくトレジャーハント編が始まります!
トウヤ達は金貨1200枚を手にすることができるのか! そもそも大森林のヌシとは何なのか!? これからも応援よろしくお願いします!
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