第34話 帝王と魔王
玉座の前にいきなり現れた男に、重臣一同は激しく動揺し、衛兵を呼ぶ声が大きく響いた、衛兵は即座に、帝王とニールの間に立った。
「貴様は何者だ!どうやってっっ!」
衛兵は良い終わる前に首をはねられ、帝王以外の人間は首無しの骸となっていった。
「邪魔な方々はいなくなりました、さてお話しをしましょう」
小太りな体躯に、青を基調とした豪華な衣装に身を包んだ帝王は、額に汗を流し怒鳴り声で話した。
「ワシに!は、話だと!貴様は誰だ!何故皆殺しにした!!」
「質問が多いですね、まず私はニール=ブラウフォンと申します、次にあなたの帝国軍が私の住む地を襲おうとしました」
「なっ!オーダー王国は滅亡したのだ、統治をして何が悪い!!」
「統治?軍団が攻めて来ているのにですか、私は幼い頃から殴られても耐えれば良いと、無視されようとも耐え、仕事も耐え、耐えて、耐えて、、、」
「?」
突然、怒りに震えながら。
「もう!ウンザリなんですよ!!だから!軍には軍を!刃には刃を何か間違ってますか?」
「ひっ、そ、それではもう軍団は退げる、貴様には手を出さん!約束する!!」
ニールは、無表情となり
「そうですか、ですがこの帝国には私のゴーレム軍団10万体が向かってきてますよ」
「そ、そんな、、」
「この世界で、、私に関係のある方々以外は、消えてもらった方が楽なんですよ」
「そうか、貴様!魔王か!!」
「?魔、王?、、、王になったつもりはありませんが、、」
「いずれ!この世界の勇者が貴様を滅ぼすのだ!!」
「ですから、魔王ではありませんよ人間です」
「貴様の姿!赤い目!!魔力!魔王以外に有り得んだろうが」
「また、私の容姿ですか、、勇者とは?勇気のある者なのですか?」
「ふん!この世界を救う者達だ!!」
(ふむ、女神は私を魔王とやらにしたくて、この世界に送り込んだのでしょうか?確かに、『絶、、』は呪いでしたし、『全知識』はスキルですが、はぁ前世で最後まで読めなかった本の内容が知りたかった、誤解があったようですね、この世界を知りたいとは願わなかったのですから、ニールとしての5年間という、狭い世界のみの知識でも知り得ませんね、エンさんにでも聞きにいきますか)
高速思考を終えて、一言。
「魔王かも知れませんね、私は、、ではジーフの大森林で待っていると、勇者さんに言っておいで下さい、あと1時間ぐらいでゴーレムがこの帝国を滅ぼしますので」
言い終わると同時にニールの姿は消えていた。
無気力な異世界転生 成田ミサト @otaaaaaaa
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