第33話 教会と女神像


 帝都の警備兵が集まり、彼ら全てを切り捨てなが進み、やがて中央に大きな建造物の前を通りかかったところ、中から白銀に輝くフルプレートメイルに、肉厚の剣に盾を装備した一団が現れ、ニールに向かって大声を張りあげた。


「魔族よ!この帝都に、この聖なる教会に如何なる用か!聖騎士が相手になると思え!」


「ここが、教会ですか、ですが私に剣を向けたからには、貴方たちも殺される覚悟があると言う事ですね」


 兜に覆われているため、表情は見えないが怒気をはらませ殺気を感じさせていた。


「女神の祝福があらんことを!!」


 先頭にいた大柄で、他の聖騎士より派手な鎧の男が斬りかって来た


「魔族ではありませんよ、聞く耳も持ち合わせてはいませんか」


 ニールは右足を一歩引き、紙一重で見切り刹那豪剣が地面に落ち蜘蛛の巣状に亀裂が走った、抜刀と同時に刀を切り上げ右腕を付け根から切断した。


「ぐぉぉ、き!貴様!!『ヒール』はぁはぁ、、」


「聖属性魔法ですか、部位欠損は治さ無いのですか?」


「そんな高位魔法は!聖女様だけだ!!全員で攻めかかれ!!」


 三歩後退しながら、刀を鞘に戻した


「居合い次元斬撃」


 全員が一振りで胴体がズレていき、ドサドサとその場に崩れて落ちた。ニールは静かになった教会に入り女神像を見上げた。


「あの時の白い女性ですね、女神でしたか、姿が同じと言う事は、この世界に顕現できると考えるのが妥当でしょうね『クロックアップ』」


 一万回以上の斬撃を女神像に放ちバラバラの瓦礫になっていた、振り返りもせずに次の目的地に向けて歩き出した。




「帝王とはどんな方なのでしょうか?王城まではまだ遠いですね、この国の人たちは弱いのでしょうか?この世界では普通なのでしょうか、だいたい把握しましたので、上空から行きますか」



 帝都の空に、一筋の白いが王城に飛んで行った。

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