第31話 イサト帝国の侵攻

 イサトの帝王はオーダー王国を暫定的にではあるが統治をしていた。主だった貴族を各地に派遣し、ついにジーフ大森林の麓の元ブラウフォン領に軍隊を集結させていた。

 

 ナーニ達がニール村に帰還し、1万人規模でこの村に攻めいるかも知れないと連絡を受けた。


「何故、私が敵になるのですか!私は何もしていないのに!」


「いやあー、この大森林にある資源が欲しいんじゃないかなー」

「確かにな、ギルドに売った魔石に目をつけたのかもな」

 

 ナーニと、ドガの憶測を語り


「あの山脈にはエンシェントドラゴンがいるだろ?アイツが怖いのかもよ」

「しかし人間が討伐出来るのか?無理だろ」


 ダニーがドラゴンの危険性を謳い、クルトが現実的な意見を言った。


「エンさんを討伐!そんな事はさせませんよ、私が戦いましょう」


 ニールは最近覚えた怒りを胸にし、イサト帝国に対して戦線布告を告げた。


「な!相手は、イサト帝国だよー!ニール君が強いのは分かるけどさー1人で戦うのー?」


「ナーニさん、もちろんゴーレムを使いますよ、10万体を新たに作ります」


 ニールは好戦的に口端をあげた。


「降りかかる火の粉に慈悲などありませんね、では、、最大魔力!クリエトゴーレムレギオン!」


 街道に、埋め尽くされた鎧武者のゴーレムの軍団に、ニールは一言だけ告げた



「イサト帝国を滅亡しろ」



 冷たい声が静かに皆の耳に届き戦慄した


 

元ブラウフォン領に集結していた鎧武者ゴーレムの先頭に白髪の男、、とある部隊長が視認した時には、既に目の前に白髪の男がカタナを振り上げていた。


「クロックアップレギオン」


 一瞬で、100人の部隊全員の首がとんだ。


「ゴーレム達!殲滅しながら帝都を蹂躙しろ」


 ゴーレム軍団は、怒りの形相となり北の帝国に向かって進軍を開始した。


 帝国軍団長は異形のゴーレム達を目にして声を荒らげ


「あんな、土クレ共など、恐るに足らん!!ゴーレムのコアを狙え!」

「団長!コアがは見えず、それに、動きが速すぎます!!」

「報告します!我が軍の半数が死亡」


「な、何ぃ5千人がか?」

「残りの兵は、北に、帝都に敗走しました!!」

「敵ゴーレムは!あと何体だ!」

「無数です!まだ1体も倒せていません!」


「っつ、仕方あるまい、一度帝都に引いて籠城戦の用意だ!先に知らせを出せ間に合う!」



 上空からニールが戦況を眺めて「じっくり攻めますか、城も見たいですしね」と呟いた。

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