第30話 変化するもの


 朝日が昇り、深い眠りから目が覚めたニールは、今までの自分を振り返り、唖然としていた。


「おはようございますニール様」

「?あ、おはようございますソニアさん、私はやはり寝ていましたか?」

「はい!良い笑顔でお眠りでした」


 笑い、怒り、泣き、喜びもあった、皆との食事が何よりも楽しいと思った、そして疲れて寝ていた、縁側に座り背中の痛みを感じていた、美味しい食事を用意し得意げに語り合った。


「これが感情、、、」


 ソニアが、隣でにこやかに微笑んでいた。


「昨日の食事は前世の物なのですか?とても美味しかったです、また作って頂けますか」


「ああ、よろこんで、、」


「ところで今日は、火炎の団の皆さんは、仮設ギルドに行かれるそうですよ」


「そうなんですか、何をしに行かれるのでしょうね」


「魔石を売りに行くのだとか」


「魔石?売れるのですか、何に使う物なのでしょう」


「魔道具の燃料に、ポーションの素材や武器や防具の強化などなど、使い道は沢山ありますよ」


「そう言えば、私は武器や防具も有りませんでしたね、私でも作れるものなのでしょうか?」


「ドワーフの方々が得意とされますね」


 (得意?スキルなのでしょうか、では一応、鍛治とは?)


「全知識」


 いつものように本が勝手に捲れていき鍛治に必要なスキルが頭の中に流れこんだ


「ほう、これは楽しそうですね、武器を作ってみましょうか」


 エンシェントドラゴンの黒い鱗に魔力を込め、火属性の炎で炙っていくと、黒いインゴットになり、聖属性の魔力を全身に流しながら日本刀のイメージをしていった。


「出来ました!どうですか?ソニアさん」


「え!?もうですか?これは、街道にいるゴーレムが持っている剣ですか?」


「イメージできる剣は、この剣と、ダニーさんのような大剣でしたので、私が使えそうな型にしました」


「それにしても、青白くて綺麗なのですが、片方だけしか刃が付いてませんし、この反りは?」


「切断だけに特化した剣ですね、カタナと呼びます、聖属性と無破損の付与をしましたので刃こぼれしませんよ、そうだダニーさんの大剣も作っておきましょう」




「また、国宝級を、、、」


 空に向かってつソニアは呟いた

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