第28話 心とは


「よ、よかった、、皆無事で、、、」


 ナーニ達パーティーメンバーの無事な姿を見た時、ついにニールは涙を流していた。


「あ、あれ?あたし達、ケルベロスのブレスで、あれ?って!どうしたんニール君!怪我でもしたのか!何で泣いてるん?」

「え?泣く、これが涙、これが哀しいと言う事?」


「ケルベロスは!?」

 

途端にニールから膨大な魔力が噴出し、今度は怒りの形相で。

「あいつなら、粉々に粉砕した!!そこに落ちてる魔石がそう」


「な、何?いきなり起こりだして、、それにその口調は?

「?これが怒り、、そうですか、皆がケルベロスにやられて、頭に血がのぼって、、怒りか」


 前世も含めてニールは、初めて怒り、哀しみ、笑い合い、楽しみを感じた。転生する前、自らの死を理解しつつも何も感情も湧かなかった、ふと思う転生後ソニアは笑っていただろかと。


 ナーニが魔石を拾いながら。


「ニール君がこのダンジョンの攻略者だねー、コアを壊す者には『神の祝福』があると聞いた事あるよー、君が壊してよ、皆んな良いよねー」

「もちろん異論など無い」

「当たり前だよね」

「ニール君以外いないでしょ」


 メンバーが口々に頷き合った。


「そうですか、、では、さっさと壊して家に帰りましょう」



 そうして最奥にある赤く光る、正8角形のコアを壊して、ダンジョンは消滅しニール達は地上に帰還した。

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