第27話 ダンジョン3


 ダンジョンを探索し1週間目地下14層まで来ていた。


「ニール君のおかげで、こんなに早く探索できたねー、夜にしっかり眠れるし、荷物も軽いしねー!本当にありがとうね」

「あはは、私はそうなんですか?初めてのダンジョンですし、早くのかは分かりませんけど」

「あと、ニール君気が付いて無いでしょ?自然に笑えてるし、料理も美味しくなってるんよー」

「本当ですね、、このダンジョンの地下に降るほど、嬉しい、楽しい、、とかの感情が湧いてくるような、、」

「そうなん?ニール君は何考えてるのか表情が無かったから、あたしは怖かったんよー、っと、次の階層だよー」


 15層に降りたら、そこには空は無く神殿のように白亜の柱が並び立ち、奥には荘厳な扉があるだけであった。


「たぶん、あれはボス部屋だねー、獣系のダンジョンだから、獣のボスかなぁー」

 

ナーニが呟き、斥候の黒装束のクルトが冷や汗を流しながら。

「あの部屋、俺の『直感』がヤバイ奴がいると、、この階層には魔物は居ないが、俺はあの扉には近づきたくない」

 

 弓の弦を確かめながらソーが

「だけどよ、食料もほとんど無いぞ、やるしか無いだろ?ダンジョンコアを壊せば、すぐに帰れるぜ」

「だな」と大剣のダニーもソーの意見に賛同した。

「どうするリーダーさん」

「ニール君もいるしー大丈夫じゃないかなー」


 パーティーの皆は全員顔を見合わせて、扉を開け放った


「あ!あれは?ケルベロス」


 3つの首を持つ地獄の番犬、それぞれの口から炎、氷、雷とブレスを放つ体長10mの巨体がこちらを見下ろしていた。


「皆!盾の後ろに、、」

 言い終わる前に、3種類のブレスにより、ニール以外、戦闘不能になっていた。


 その光景を目の当たりにし、心に新たなモノが、それは「怒り」であった。


「クロックアップ!!」


 ほぼ光の速さの中ニールは無造作にケルベロスを殴った、速度はエネルギーに変換され、ケルベロスは粉々になり、大きな魔石だけを残し消滅した。


「癒しの光よ皆を包め!目覚めさせよ!!」

 怒りの感情を剥き出しにしながら、全魔力を解放させて呪文を唱えた。




 パーティーの皆が目を覚まし、そこには泣きそうな顔をしたニールが立ち尽くしていた。

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