第25話 ダンジョン


 ニール村の門の前に「火炎の団」のメンバーが集まっていた。


「おはようございます皆さん」

「おお!おはよう今日からよろしくな!」

 大剣のダニーが元気よく挨拶し、大きな袋を持っていた。


「皆さん大荷物なのですね」

「ニール君は?その袋一つなのかい」

「はい2週間分の食料と私の短剣が入ってますよ」

「「「「「ええ!マジックバッグ」」」」」

「国宝じゃねーか」

「国宝?その国は滅亡しましたよ」

「いやいや、この大陸にこれ程の物なんて数える程度しか無いぞ」

「そうなんですか、皆さんの袋を貸してもらえませんか」

「?まぁ、いいけど、ほいよ」

「空間拡張、時間停止、はいどうぞマジックバッグが増えましたね」

「......やっぱり、あんたは非常識...」


 だいぶ呆れられながも徒歩で2時間ほど森を歩いた場所に洞窟の入り口にたどり着いた。


「これがダンジョンなのですか?」

 リーダーのナーニが胸をそらしながら。

「魔力の流れを辿ってあたしが見つけたのさ!この大森林はほとんど手付かずだったからね、荷物も軽いし、皆んなここで装備して探索だあ!」

「「「おおー」」」


 ダンジョンは草原エリアになっていた2層も同じとのこと。


「3層はどうなっているのですか?」

「さぁね、このダンジョンは広すぎるのさ、でもニール君とこのマジックバッグがあれば進めるはずさ」

「お!さっそくブラッドウルフが3匹来たぞ」

「じぁ、ニール君はあたし達の連携をまずは見ててよ」


 盾を構え前に出てヘイトを集め、横から大剣を振り下ろし先頭のウルフの頭を落とした、後方から2本の弓矢がほぼ同時に左右のウルフに突き刺さり足止めをし、さらに火炎がウルフに迫り絶命させ、魔石だけがその場に落ちた、その間30秒にもみたなかった。


「どう?あたし達の連携は」

「凄いです、タンクのダンさんは怖くは無かったのですか?」

「ああ、仲間がいるからな!」

「仲間、、、」



 ニールは初めて羨ましいと思う感情が芽生え始めた。

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