第21話 簡単過ぎる報告

 スタンピードがら3日経った朝に、猫耳ナーニの率いる冒険者達が来訪してきた、今回は門に弾かれる事なく全員が家にやってきた、パーティーの皆が意気消沈していた、イオリの間で事の次第を聞くために、ソニア、ショカも集まっていた。


「街、が、無くなっていた」


 覇気も無く、ボソリと消え入りそうな声でナーニが皆に話した。


「はいスタンピードで、辺境伯領や他の街や村、王都も消えて、燃えたかなまぁオーダー王国は滅亡しました」


「え?ニール様それは本当ですか?」


「ええ、私は上空から見ていました、ドラゴンブレスは凄い威力でした、ガラス化してましたから10,000度以上でしょうか、あれは私でも死にますね」


 無表情でまるで感情も感じられない、とても簡潔に見た事だけを話した。


「これからどうしたら、、」


「ショカさんは王国の役人か何かだったのですか?王城も王都も更地ですから戻るのでしたら再建は大変ですね」


「ニール君!この土地のように手伝ってもらないかな」


「ショカさん、私には興味がありませんし、理由もありませんが?それにショカさんは『賢者』ではありませんか、貴女なら再建可能なのでは?」


「む、無理ですぅ」


「あたし達もどうしよっか?皆んな」


「北にあるイサト帝国には冒険者ギルドは無いのですか?」


「あるけど、オーダー王国の冒険者仲間は、皆んな死んじゃったし、イサトに行ってもね、、どうしようか、」


 沈黙が続く中で、盾のダンと大剣のダニーが語りはじめた。


「なぁ、ダニーせっかくこの近くに新しいダンジョンが見つかったんだしさ、この家を拠点させてもらって探索しないか?」


「おい!ダンよ、そんな事はまずニール君に了解を得てからだろ!」


「ダンジョンですか、どんな貴重なアイテムをお持ちなっても私はお金なんて持ってませんし払えませんよ、この家を拠点では多少狭いので、この外壁の内側なら家を建ててもらっても良いですよ」


「えぇ、あたし達この中に住んでいいのかい?」


「はい別に興味もありませんし、お好きされたらいかがですかナーニさん」


「あたし達はもう、行く所が無いし更地になった帝国が来るかも知れない、しかもこの外壁の内側は安全だし、魔物だらけの大森林にあるオアシスなんじゃない?冒険者ランクが今はBランクだけど、ダンジョンでもの凄い財宝があれば他国のギルドで顔も売れる!良いことじゃないか!」


 ナーニはパーティーの皆に一気に捲し立て、やる気を起こさせた、パーティーメンバーも納得しこの外壁内側に住むことに賛成したのであった。



 新しい住民が増え、ここは「ニール村」と皆が呼ぶようになった。

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