第17話 冒険者来訪


 隠遁生活で3日間、朝も夜も空を眺めていたらショカさんにゴーレムを見せて欲しいと頼まれて、門の近くまでやって来た、男女5人が何やら言い争っていた、大きな盾を持ちフルプレートメイルの大柄な男性と、杖を持った紺色のローブを纏い頭には猫耳の小柄な女性が門の中に入っていたが、黒装束で短剣を両腰に下げた中肉中背の男性と、ツバの長い帽子に弓を担いだ男性に、筋骨隆々な体躯に背丈ほどある大剣を担いだ男性が門の外から騒いでいた。


 ショカさんと顔をみわせて尋ねてきた。


「あの門、私は普通に入れたのにぃ、他の3人はどうして入れ無いのぉ?」

「あぁ、邪な者や魔物は排除とイメージして作ったんですよ」

「え、そんな魔法陣無かったかとぉ」

「魔法陣は魔法使いのイメージを具現化したものと理解しましたので、私の魔力量では意味の無いものと判断しました」

「なるほどぉ、確かにニール君の魔力量なら必要無いですねぇ、で、素直に「邪悪な者は入れ無い」と言うとぉ、カドが立つのではぁ」

「この場合どうしましょうか、ケンカは苦手なので、、」

「あははは!アースドラゴンは大きなトカゲとか言う人がぁあははは〜」

「あ、ショカさんの笑い声が大きくて聴こえてしまいましたよ」

「う〜ん、ケンカがイヤなら実力を見せたらぁ、魔力コントロール最大にすれば大丈夫だと思うよぉ」

「、、こんな感じですか?」

「おお!聖属性だから大丈夫だけど、また魔力量ふえたのぉ」

「さぁ、どうなんでしょう私も「魔法視」を覚えましたから見えますが、あの冒険者さん達は?って、、腰を抜かしてますね、」

「門の外の人は逃げたねぇ」

「ゴーレムに運んでもらいましょうか、なんか気絶までしてしまいました」「ゴーレム来い」

 目の前の土塊から、身長2mの人型ゴーレムが生成され、家まで運んでもらいソニアに説明をした。



 最初に目を覚ましたのは猫耳の女性であった。


「こんにちは、私の名前はニールと申します、貴女は冒険者なのですか?」

「あ!あんたは!魔力化け物!!」

「え、今は魔力を抑えてますから、どうですか?まだお気分はすぐれませんか?」

「あ、いやすまない、突然あんな魔力をぶつけられて、って、ぶつけても無かったなすまない、私の名前はナーニ、ここは?」

「はい、私の家です、あなたと盾の男性以外は門には入れずに逃走してしまいました、盾の男性は隣の部屋です」

「あの門は何?」

「邪な者や魔物を通すなとイメージして作った結界のようなものですね」

「じぁ、他の3人は邪悪だと?」

「さぁ、私の主観的概念で作りましたので、一般的には違うかも知れません」

「まぁ、この家の主人ならそれにしたがうさ、しかし他の3人は無事なのかねえ」

「ええ、この街道にいたゴーレムを通じてみると、門の近くにいますよ」

「ええ!あの変なゴーレムってあんたが作ったのか?」

「変ですか、カッコいいと思ったのですが、でも人間には敵意は向けませんよ」

「ああ、街道の道中で何度も助けてもらったよ、ってかあの一体のゴーレムでオーガの群れを1分足らずで倒してたぞ、、どんな性能だよ」

「そうですね、でもドラゴンなら負けるのでは?」

「イヤイヤ!ゴーレムでドラゴンスレイヤーってさあ」

「では、盾の男性、、お名前は?」

「ドガってタンク役だよ、まあアタシは魔法使い火魔法ならかなりなもんだよ!」

「では、ドガさんが目覚めたら食事でもいかがですか」

「、、、外の3人にもあげてくれないか?」

「それくらいでしたら大丈夫ですよ」

「す、すまない」




(とんでもない所に来ちまったのか?アタシも逃げ出したいよ)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る