第10話 花火の日に

(落下地点が予想よりも大規模になりまたね、まぁ私は大気までは操れませんし、仕方ありませんね)


ニールは自室の窓から幾千もの死の花火を眺めては思考していた。


「ニール様大変です、早く逃げましょう!」

「こんばんはソニア、、えと大丈夫だよここは」

「こんなに揺れて!って、揺れや音も無い?」

「時空魔法の一つだよ、この部屋の周りを次元の壁が覆っているから」

「時空、魔法?」

「そう時空魔法だよ、説明は、、難しいかなぁ、あニール君からソニアさんに言いたいことがあるそうです」

「?ニール君?あなたはニール様では?」

「申し訳けありませんでした、ソニアさん私はニール君の身体をお借りしました、それは3日前になります」

「では!本物のニール様は!!」

「ご説明いたしますね、まず、3日前ですがニール君は魔力を暴走させて亡くなりました、そして先程ニール君からソニアさんに『ありがとう』と伝えて欲しいと連絡がありました」

「では、、ニール様は自ら死を、、そんな」

「ニール君は、ソニアさんを母親のように慈しみ、姉のように頼り、友のように笑い合いと満面の笑顔で私に『ありがとう』と伝えて欲しいと言われました」

「そ、そんな、、ニール様、、」

「、、、私の居場所はここでは無いと思いましたので今からジーフの大森林で独りで住もうと思います」

「だ!ダメですあなたがニール様でなくてもまだ5歳なんですよ!!無理です!」

「あぁ、では時空魔法をお見せしますよ、簡単に言えば「時間」と「空間」に関与する魔法なんですよ、では私だけ時間を進めますね」

「ニール様が、大きく、、なって」

「はい、急に成長したように「観測者」であるソニアさんには見えたでしょうが、実際には15年間その場に立っていました、今見えている服は魔力で纏ってはいますので、ニール君の服はそこの机の上に置いておきました」

「え、15年!ウソですよね!」

「身長は、180cmぐらいですかね、ニール君が20歳にはこのような姿になりました、白髪赤目はアルビノのままですね」

「わ、私はどうしたら、、」

「ソニアさんは自由に人生を楽しんで下さい、では大森林へ、と、ほとんど焼けてますねまぁ問題無いでしょう」

「ま!待ってください!!私も一緒に行きます」

「ソニアさん今はまだ危険ですよ魔物もいますし」

「で、では!安全になったら、その、迎えに、、来てください、、、」

「は、はいあの私はもうソニアさんの知るニール君では無いのですが」

「そ、それにこの屋敷に居ても、仕方がないので、、」

「あぁ、確かに私のせいでソニアさんが責任を取らされる可能性を考慮しておりませんでした申し訳けございません、では一緒に行きましょう」

「では、荷造りをしてまいります!」

「はい、では一度安全な場所を探してから直ぐに戻りますね」

「クロックアップ」


シュン、、と白い閃光を残しその場からニールの姿が消えていた。


「、、わ!は!!こうしてはいられません直ちに準備をしなくては!!」

前ニールの服を大事に胸に抱きしめてソニアは走り出した。




そして次元から隔離されたこの部屋だけが残っていた

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