12/17 Sun

 午前中に写経バイトを済ませて、一万円を手にいれた。

 問題は、何を贈るかだ。

 新太の姉さんに雑貨屋を教えてもらったけど、どれもピンと来ん。コンビニの肉まんを昼飯兼おやつで頬張りながら、携帯で検索をかけていると聞き慣れた通知音が鳴った。

 通知画面に興奮した夏海のメッセージが飛んでくる。


――クリスマスって

――見てみて、音無くん!

 最初の言葉の繋がりがわからないまま、文字に遅れて、動画が流れる。

 一瞬、何かと思ったら、ドアップにされた赤ん坊のおしりだった。距離が調整されて、足が映り、お腹、手、頭と見切られた部分が現れる。横によった足が窮屈そうだな、と思っていたら、肩が回り背中、頭とすんなりと回った。周りで歓声があがり、何が起きたのかわからないという赤ん坊の顔で締めくくられる。


――暁良あきらが寝返りしたの!


 続いてきた文字に目を皿のよう見開いたシロクマのスタンプを返した。

――おめでと

 の文字も忘れずに。

 しばらく和んで、でもやっぱり気になって

――↑クリスマス、どうかした?

 と付け加えてみたら、間が空いたような気がした。夏海は用事を済ませとるかもしれんのに。

 しばらくして、うずくまるハリネズミのスタンプが押された。

 待っても待ってもメッセージが来ないので、気にするなと手を振るシロクマを送る。

 戸惑うような間を置いて、メッセージが飛んできた。


――気を使わせて、ごめんね

――いいよ、夏海なら


と返したら、今度こそ返事は来んかった。



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