5、エフォート

フェンリが生まれて早速いろいろ試してみた。

モンスターの操作、コントロールオフ時のフェンリの行動や命令、現実世界への干渉。


操作するのは道也が言ってた通り難しかった。

コントロールオフ時はフェンリは犬のような…というか犬の動きそのままだった。

現実世界の干渉はないようだ。机やいすといった地面についている大きなものの上に乗るようなことはできる。

試しにペットボトルを地面において触れるか試したがフェンリはペットボトルをすり抜けてしまった。

僕がフェンリに直接触れるかも試してみた。

しかし僕の手はフェンリをすり抜けた。

でもフェンリの頭をする抜けない様になでてやるとフェンリは嬉しそうに尻尾を振りだした。


「なるほど…大体わかったぞ。」


僕は早速道也に電話をかけてみた。


「もしもし、道也?今から空いてるなら僕の家に来てもらってもいいかな?」

「あ?どうしたんだよ急に?」

「いいから早く来てね!」


***


10分ぐらいしてから道也はいつも通りチャイムも鳴らさずノックもせずに僕の部屋にやってきた。


「でどうしたんだよ?」

「ふふふ、こちらに来てもらおうか。」

「なんだ?怪しいな…」


と言いつつも道也は僕のそばによってきて、


「うお!?これは…MEか!?」

「そのとおり!」

「…なるほどな。そういうことか。」


さすが道也だ。

僕が説明する前に察してくれた。


「これはうれしい知らせだな。」


そう言って道也はニヤッとした。

その顔を見て僕もワクワクが止まらなかった。


「さぁ、犬海!俺たちの青春とやらを始めようか!」

「うん!理事長も言ってくれたからね!」

「で、犬海のモンスターは犬?か?」

「たぶん狼だよ。たぶん。」

「お前にぴったりなモンスターだな。」

「意地悪しないでよぉ…」


***


僕たちは早速モンスターのコントロール練習をすることにした。

操作は道也が言ってた通り難しかった。


「少しずつだけど操作に慣れてきたなぁ。人型じゃないからなんとも…」

「俺もだいぶ慣れてきたぞ。やっぱ人型だからか?慣れてしまえば簡単だな。」


僕たちは一時間ほど練習して今日は終わることにした。

時間も午後7時になりおなかがすいてきた。


「今日はもう帰るぜ、またちょくちょく練習しにくるぜ。」

「うん、お互い練習して強くなろうね。」


こうして僕の高校生活初日は終わった。

これからもっと激しく楽しい毎日が続くはず。

一度しかない高校生活、全力ではしゃいでいこう!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る