第26話 誇りある生き方
「ふむ、なるほど、あばら家という奴か」
ジョセフは下層地域とよばれるスラムエリアを見ながらため息をついた。
「生産のスキルは他の兄妹のほうが得意なんだがな」
先程助けた少年と少女、5歳ほどの黒髪の可愛らしい双子の兄妹とリムとテスラを見ながらふむとため息をつく。
「助けた幼子を寒空の下に放置するのは俺のプライドが許さん」
「ほっほっほ、珍しい空気纏うものがいるの」
髪の毛を束ね黒い着物を纏い刀を腰にさした老人が笑う
「白髪のジジイが気配もなく現れるのは怪しいな」
目の前の瓦礫を破壊しながらジョセフはため息をつく。
「んでひとに擬態して、なんの用だ?恐らく人化できるなんかだろうが」
「可愛くないのう、まあそんなもんじゃな、まあワシはここの子らを護るしがないジジイってとこじゃの」
ひゃひゃと笑う
「あんた一人ならなんとでもなりそうだがな」
「安易に苦難を解決したら問題だろうよ」
「まあ確かになあ」
ジョセフはタバコに火をつける。
肩を竦めて話す。
「まあ、あんたがどんな存在かは知らないが、少なくとも敵でないならかまわんさ」
ジョセフは肩を竦め
「俺は傲慢だからな」
笑う。
「んでだ、どんだけ腹減ってんだって話だな」
ジョセフは欠伸をしながら適当に街の外で狩った魔物を焼きながらリムとテスラをみる。
「ここは治外法権じゃからのう、ワイバーンとかもなかなか食えんじゃろ、お前さん料理うまいな」
「焼いただけだろ」
ジョセフはふむと頷きながら
「さて酒場とかあるのか?」
「教えてやるわい」
肉を食べながら笑う老人と夢中になって食べる子供二人をみながらジョセフは肩を竦めた。
カランカラン、鈴の音とともにジョセフ達は足をふみいれる。
昔ながらのシックなBAR。調度品の調和が心地よい。
「あら、珍しい客だね」
優しげなバーテンダーの服をきた若い赤髪の女性がにこやかに目を向ける。
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