第5話 独占欲の狐娘(2)
俺はその宝石を手に取った。
次の瞬間、怪異の意味を理解する。
先ほど、襲われた雪玉モドキは宝石を落とした。
それと似た石を持つ
つまり、俺の望み通りに『世界を書き換えた』のだ。
まさに神の如し。
怪異の根源を前に動揺し、俺は絶句した。
代わりに、腕組みを解いた
「私は人間界の者です。おそらく私とそこの彼は、
「うむ、戻れるぞ。わらわ、マリィさんの創った世界じゃからな。ただし、元の世界に戻るにも仕掛けがある」
「そうですか。ところで貴女は
「半分だけ正解かの。川の神と山の神の争いを仲裁して、疲れて自分の世界へ
「そうなのですね。ところで……京くん、私たち何か忘れていない?」
神様のような人知を超えた存在にも
俺も引きずられて、大人の男として冷静になった。
「神様さ。世界を書き換えることが出来るなら、この石遊びをしなくても、俺たちを人間界へ戻してくれないか」
「拒否する!」
「え~!」
「そんな顔をするでない。ただでは面白くないじゃろうということじゃ」
「ああ、そう。じゃあ、どう面白くしたら、俺たちは人間界へ戻れるんだ?」
「ルール説明! お主らの持っている宝石『
「えーと、5つ」
ガラガラと音を立てながら、5つの石を机に並べた。
あと何個かを集める必要あるのか。何となく、分かってきた。
「そうじゃ。あと2つ、
「それって、私たちそれぞれの忘れていたことが関わっている?」
「ユウキ、その通りじゃ。キョウも思い出せ。お主らは、大事なことを忘れておる」
「「うーん?」」
「2人とも
7つの石が鍵となり、元の世界へ脱出できるそうだ。
その2つ石をもらうには、俺たちが忘れている何かを思い出す必要があるらしい。
3人で
その懐かしい遊びは、俺たちの思い出を
そうか。
10年前に俺たち3人は、
このマリィさんは、あの
まさか大人になっても、異世界の迷子から助けられるとはね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます