第6話 だが、断る!!
王城についても俺は上の空だった。何故ならば俺の頭の中は未来の妻で一杯だったから。
なので謁見の間とやらで玉座に座るオッサンのいう事など何も聞いてなかったのだ。
脇から俺を突っつくゲインさんにやっと俺が気づいたのは、周りの人たちが俺を不審者を見る目で見ている時だった。
「むう、それで、其方からの返事を待っておるのだが…… 我が娘であるコチラの第二王女との婚姻並びに、公爵位を賜ると申したのだが、どうかの?」
俺はやっとそれが王家からのスタンピードを止めた返礼なのだと気がついた。
「あの〜、申し訳ないっすけど俺はこの王都に住む家を用意して貰えたらそれで良いので。爵位も第二王女様も要らないっす」
だが俺の返答に顔を顰める王様らしき人。
「それでは周辺諸国に我が国は英雄を称える術を知らぬと笑われてしまう! せめて第二王女は娶って貰いたい!」
そうしつこく言ってくるので、俺は言ってやった。
「俺には既に心に決めた人がいるっす。だから無理っす。それなので、住む家にプラスして一生、普通に暮らすならば生活出来るだけのお金を下さい。それと、爵位は要らないっすけど、他の貴族たちが俺に嫌がらせなど出来ないようにそれなりの権限が欲しいっす。それが俺を称える事になるっす!」
そう、キッパリと俺は断ってやったのだった。
渋々ながら頷き、王様はならば三日後にまた王城に来るようにと俺とゲインさんに告げて下がらせてくれた。
王城の門を出てゲインさんの家に向かう途中で、
「良かったのか、赤鎚のマルオくん。第二王女殿下はこの国一番の器量よしだし、公爵位ともなればかなりな権力を得られるのだが」
そう俺に言ってきたが、俺は、
「何を言ってるっすか、お
と力いっぱい叫んだのだった。
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