第4話 大変だ!どストライクだっ!!
俺は自分のステータスがバレたら見放されると思い、曖昧に笑って誤魔化した。
それからゲインさんに助けて貰った報酬だと言って巾着を貰ったのだが、中身を見てみると金貨らしいものが十枚入っていた。
「すまない、今は渡せるのがコレだけしかなくてね。因みにだが、庶民の一ヶ月の収入は銀貨八枚から金貨一枚だよ。銅貨一枚あれば昼、夜のご飯を食べられて、宿屋は銅貨五枚で一泊出来るところが多いよ。もちろん食事付だよ。銅貨十枚で銀貨一枚、銀貨十枚で金貨一枚、金貨十枚で白金貨一枚、白金貨十枚で黒金貨一枚になるんだ」
俺は頭の中で単純に円に置き換えてみる。銅貨が千円、銀貨が一万円、金貨が十万円、白金貨が百万円、黒金貨が千万円でいいか? って俺は今百万円を手渡されたのかっ!?
手渡された額の大きさにビビったが有難く頂いておく事にした。社長が良く言っていたが、
「それでだね、赤鎚のマルオくん。君の強さを見込んでお願いがあるのだが…… もちろん無理にとは言わないが……」
ん? 何だろう? 報酬もちゃんとくれて身元保証人にもなってくれるゲインさんの頼みなら出来ることならば引き受けたいが。
「何でしょう? 俺に出来る事ならば引き受けるっすよ」
俺の返事を聞いてもまだ迷ってるような顔をしていたが、気持ちを固めたのか懐から一枚の絵を取り出した。そこに描かれていたのは天使だった……
うおっ! まるで写真みたいな絵だけど、誰だ、この
俺が少し目を見開いて興奮して絵を眺めているのをゲインさんは勘違いしたようだ。
「ああ、やはりダメだよね。その絵は私の娘なのだが、十六歳になっても婚約者が決まってないんだ。ピエン王国ではふくよかな女性は体調管理が出来ない女性と言われて嫌われていてね…… 彷徨える異世界人である赤鎚のマルオくんならもしやと思ったのだが……」
俺は大慌てで叫んだ!!
「お
「いや、そうだろう、やはり無理…… ん? 娘を下さい? 良いのかっ!? こんなふくよかな娘でもっ!?」
「いえ! むしろ痩せたら離婚ですっ!!」
「おお!! 神よっ!! ここに救世主が!!」
大袈裟な。けれどもここで俺は大事な事を伝える。
「但し、一つだけ条件があります、お
「既に私を父と呼んでくれてる君の条件か…… 一体何かな?」
俺は目に真剣さを込めて言う。
「それは、娘さんの気持ちを尊重する事です! 俺は娘さんと結婚したい! けれどもゲインさんの娘さんが俺とは結婚したくないと言うならば、ちゃんとその気持ちを尊重して無理強いはしないで下さい!!」
「ハッハッハッ、何だ、そんな事か。それならば大丈夫だとは思うがもちろん、そうすると神に誓おう」
こうして俺はまだ決定ではないのだが、理想の女性と結婚出来るかも知れない幸運を掴んだ。
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