第3話 私は商人ゲインだ!
叫んだ人はしっかりと起き上がり俺の方に歩いてきた。
「いや〜、危ないところを助けてくれて有難う。護衛に雇った者たちが私を見捨てて逃げ出そうとして全員オーガジェノサイドにヤられた時に咄嗟に死んだふりをしていたのだが、あのままだと食べられていた。君のお陰で助かったよ。それで、君はさぞかし名のある人物なんだろ? 名前を教えてくれないか。おっと、私は商人をしているゲインという者だよ。よろしく」
そう言って俺に名乗れというゲインさんに
「どうも、
と俺は質問をする。
「なるほど、その手に持つ神の持つような真紅の鎚が二つ名になっているのだね。赤鎚のマルオというのか。残念ながら私の知る名ではないが…… それとここはピエン王国とワラ帝国とを結ぶ街道だよ。私はちょうどピエン王国に帰る途中だったんだよ」
いや、知らねえ国の名前だし。それに俺の名前は二つ名じゃねえし…… しかも神の持つような真紅の鎚って、ただのピコピコハンマーなんだが……
そう思っていたらゲインさんが更に言葉を続けた。
「しかし不思議だ。君ほどの実力者ならばこの私が名前を知っていてもおかしくないのだが…… しかもここが何処か知らない…… ハッ!!」
言葉を続けたゲインさんが何かに気づいたようだ。
「ひょっとしてマルオくんは
そう叫んだゲインさんは俺が頷くのを見て確信したようだ。ただ、彷徨える異世界人って何だよと思ったのは内緒にしておく事にした。
「やはりそうか! それならば困っている事だろう。どうだろう、私をピエン王国まで護衛してくれないか? 報酬は規定よりも多く支払うし、今助けて貰った報酬は先に支払おう。それに、身分証もないだろうから私が身元保証人にもなるよ」
そう言ってくれたので俺は受ける事にした。この世界について知らなければならないからな。
こうしてゲインさんの護衛としてピエン王国とやらに向かう事になった俺はこの世界について教えて貰った。その中でゲインさんが教えてくれた。
「ステータスと心の中で念じてごらん。君の強さが分かると思うよ」
教えて貰った通りに俺は心の中でステータスと唱えた。すると……
【名前】赤鎚のマルオ
【年齢】十八歳
【性別】
HP:2
MP:1
こうげき:1
みのまもり:2
えっ!? ショボッ!! 何このステータス…… こんなんで俺はこの魔物のいる世界で生きていけるのか?
「どうだった? マルオくんの事だからきっと凄いステータスだろ? HPは千を超えてるんじゃないか? 今までに記録されている彷徨える異世界人だと平均して八百はHPがあったらしいからね」
いや、無いです…… ゲインさん、ご期待には添えないみたいです……
俺は知らなかった。このステータスが装備品の能力が加算されていない事を。
【名前】赤鎚のマルオ
【年齢】十八歳
【性別】
装備:
HP:23,000(装備品による補正値)
MP:1,800(装備品による補正値)
こうげき:190,001
みのまもり:250,002
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