第22話 戦艦ランホー
帝都付近の海辺。
今日も釣り人が海岸沿いにちらほらと散見される。
そんな中、大型の陸上戦艦〝ランホー〟が接近する。
警告音とともに上陸を開始したランホー。
「民間人に被害を出す作戦ではないのよ。分かっている?」
「分かっていますって」
「……」
レイナがさっきから黙っているけど、サファイヤは応じてくれた。
エメラルドは敵兵に紛れ込み、内部から制圧する。
この作戦、うまくいくといいのだけど……。
「いくわよ。サファイヤ」
「はい。自分はこの艦を制御します。ルビーは行って!」
わたしは艦を離脱し、前戦へと向かう。
すでに一般兵が疑似
わたしはその上空を闊歩し、オートマタを射出する。
戦場にでれば、それはパイロットという死をいとわない兵士となる。そこに哀れみの声は必要ない。
オートマタで敵兵の攻撃を行うと、サファイヤから無線通信が入る。
と同時に、レイナから無線通信が入る。それも外部スピーカーを通じて。
《この陸上戦闘艦ランホーは我々、レイナ=リキを始めとする帝国軍スパイナーが占拠した。反乱分子はただちに戦闘を停止せよ! 繰り返す――》
『私ごと、この戦艦を討ちなさい! ルビー!』
「そんな。そんなこと!」
戦艦が占拠された。それもレイナが。
『討ちなさい! ルビー。ここまで犠牲になった人々は平和になると信じたから戦ってきた。あなたもその一人でしょう? しっかりしなさい!』
「でも、それではサファイヤまで!」
『死ぬ覚悟はできている。私も軍人だよ!』
《こいつ何を言っている! 血迷ったか!》
レイナの声が耳朶を打つ。
二人の友を。わたしは……。
「うぁぁぁっぁぁぁぁっぁあっぁぁっぁあっぁぁっぁっぁぁぁあぁっぁぁぁ」
手に携えた対物ライフルが火を噴く。
弾丸が吸い込まれるように戦艦の艦橋を貫く。
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