　そろそろ〝十界（じゅっかい）の命（めい）〟から連絡が届く頃だ。

　その正義を持って、自由を手に入れる。

　人と人がわかり合うための最後の希望。

　わたしはそう認識している。

　家族は今日、引っ越しをする。帝都から中立国『アリアン』へ。

　あとはわたしがどう行動するのか。

　分かっている。

　もう心は決まっている。

　もう誰も死なせたくないから。

　サファイヤやレイナも一緒に来るらしい。

　なら、心配はない。

　エメラルドもあとで合流する手はずになっている。

　国を見限るわけじゃない。敵国に寝返るわけでもない。

　わたしはわたしの正義のために戦う。

　戦わねば守れないというのなら、戦うしかないの。

　分かってもらえなくて構わない。

　恨んでくれて構わない。

　覚悟を持って世界を変えると誓った。

　だから、わたしは世界を救う。

　こんなことしかできないわたしでも、この憎しみの連鎖を断ち切れるのだ。

　その歴史的快挙に関われたことに、感謝の意すら覚える。

　わたしが止めさせるんだ。止めるんだ。

　この世界に平和をもたらすために。

　この国を守るために。

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