第17話 自立式小型攻撃用オートマタ。

 作戦が開始された。

 多くの兵士が戦場の最前線にて、武器を振りかざす。

『隊長! こちらは敵の攻撃を受けています』

 無線から流れる友軍の悲鳴。

 わたしは対戦術戦闘衣装バトル・ドレスを着て、戦場上空から敵兵を見つけると、スカートの端から遠隔操作の自立式小型攻撃用オートマタが展開されていく。

 白を基調とした青の縁取りのオートマタが戦場に向かっていく。

 念じると、オートマタから射出されたレールガンを敵軍につっこむ。

「ん?」

 わたしは拡張されたデバイスを利用し、戦局を見定めていた。

 その敵軍の中に見覚えのある少年を見つける。

 仕事を見つけたばかりの少年は手にアサルトライフルを持っている。

 その少年にオートマタがでレールガンを撃ち放つ。

 少年に吸い込まれていく弾丸。

 血を吹きだし、その場に伏せる少年。

 わたしが、殺した?

 ぞくっと背中に走る寒気。

 激情に駆られたわたしは、オートマタを全機射出。

 戦場を飛び交うオートマタは血で汚れていく。

 コントロールのできない攻撃用オートマタ。

『ルビー。落ち着いて』

『敵軍の白旗信号です。ただちに帰艦してください』

 オペレーターの冷たい声が耳朶を打つ。

「わたしは、殺したいわけじゃないのに!」

 そう大声を上げる頃には、敵軍は壊滅していた。

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