第14話 勅命

「ルビー=エイチ、ただいま、帰艦しました」

「リーリリアはどうだった?」

「はい。目立った行動はなく、比較的裕福でした」

「そうか」

 重々しいため息とともに吐き出されるしわがれた声。

 上層部が何を感じているのか、どんな顔をしているのか、この暗い部屋ではよく見えない。

「さて。キミからの報告書は読ませてもらった。大変な情報をつかんだな。エイチ」

「はい。つきましては次の作戦、わたしも参加させて頂きたいのです」

 わたしは決心した。

 わたしの国、家族はここに住んでいるのだから。

 守るべき者がある。

 一瞬浮かぶリーリリアの民衆。

 でも、それでも討たねばならない。軍人なのだから。

「そうだな。クリスマス・スタンビート作戦、これを止めさせるには貴公の力が必要になるだろう」

 対戦術戦闘衣装バトル・ドレスを扱える者はそう多くはない。

 となれば、わたしが配備されるのも必然。

 スカート・リモートデバイスが活躍するだろう。

「ならば、ルビー=エイチに勅命を下す。クリスマス・スタンビートを起こす前になんとしてでも、敵軍を攻撃せよ」

「はっ!」

 わたしは敬礼をし、その場を後にする。

 すれ違いざまに、レイナも本部の通信室に入る。

 不安そうに見ていたサファイヤがわたしをお茶に誘ってくる。

 作戦を詰めないと。

 わたしはサファイヤとのお茶に応じる。

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