第2話 この世界は……
アマテラス粒子から得られる膨大なエネルギーは
「サファイヤ。戦況を伝えてくれるかしら?」
わたしはそう言うと、サファイヤ=ユウキはこくりと力強く頷く。
「敵兵の残党は100を超えます。そしてあちらは自国の領土内に逃げ込み、トラップを仕掛けている可能性が高いです」
「オール・サウンドマウンテン、か……」
「そうです。山道ではどんなトラップがあるか分かりませんし、地の利がこちらにはない」
ふるふるとクビを横に振るサファイヤ。
「追撃は諦めるのかしら?」
わたしはそう問うと、レイナは困ったように眉根を寄せる。
「でも、イレギュラーにとって疑似バトル・ドレスは脅威になりえる」
イレギュラー。
わたしやレイナを始めとした意図しない遺伝子操作を受けた子どもたち。
核戦争が勃発し、あちこちで放射線による遺伝子改変が行われた。それに適応した新人類がイレギュラーと言われている。
もちろん、適応できずに放射線による遺伝子の欠損で死亡した子どもたちはその数億倍いたとされている。
2050年辺りから急増した人口はいつしか200億人を突破していた。
そんな中で起きた核戦争。
耐えきった人類が目にしたのは、荒れ果てた大地と、海洋汚染、それに灰色の空だった。
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