【攻略二度目の知識チート】〜クラスごと異世界に召喚されて死の迷宮に放り込まれたけど、俺は前回の【攻略者】です。死にたくないクラスメイトが泣きついてくるが、お前ら俺のことイジメてたよな?
第49話 邪神笹山、お誘いを断われる「あたし、委員長だからハッキリ言うね。笹山くんは湊川くんよりずーっと弱いの。自分の弱さを認めないと、めっ、だよ?」
第49話 邪神笹山、お誘いを断われる「あたし、委員長だからハッキリ言うね。笹山くんは湊川くんよりずーっと弱いの。自分の弱さを認めないと、めっ、だよ?」
「はははっ! 邪神となった俺は、絶望を喰って強くなった! ドラゴンごときで勝てると思うな!」
「わんわんっ!(クソ雑魚ドラゴン死ねっ!)」
「邪神……?」
コレットにビビっているかと思ったら、やけに強気な態度の笹山。
さっきこっそり鑑定したら、レベル的には俺たちが圧倒的に勝っているのだが……
何か奥の手でもあるのか?
邪神となった俺——そう笹山は言った。
いくら笹山が【クソ野郎】でも、いつの間にか邪神になった、わけじゃないだろう。
いったいどうやって、邪神とやらになったんだ?
「ふっふっふ。弱き魔物がイキがっているよじゃ。主人よ。叩き潰してよいか?」
コレットの目が赤く光る。
殺る気満々だ。
「待て。少し聞きたいことがある」
「オラオラオラっ! 湊川っ! 今更ビビって命乞いか? 早くかかってこいよ!」
俺たちが自分にビビっていると勘違いしているみたいだ。
「笹山、お前はどうやって邪神になったんだ? そもそも邪神ってなんだ?」
「……お前に教えるわけねえだろ。クソ湊川」
一瞬、笹山の目が泳いだ。
何か隠したいことがあるような……
ここは笹山を揺さぶってみよう。
「なるほど。そういうことか。お前もわからないんだな? 気がついたら邪神になったってことか。で、本当は自分でも怖がっていると」
「俺が……怖がっているだと?」
「そうだ。化け物になった自分が怖くて仕方ない。だから強がってるんだろ?」
笹山の目が、黒く濁っていく……
「てめえ……陰キャのくせしてイキりやがって」
「わんわんっ! わんわんっ!(陰キャ! 死ね!)
笹山の反応を見ると、どうやら「何も知らない」のは図星のようだ。
しかし、何かあったのも確かなことだ。
だとしたら、残る可能性はひとつ。
「もしかして、女神に何かされたのか?」
「つ……っ! め、女神様が何の関係がある? め、女神様は関係ねえよ……っ!」
「笹山くん……わかりやすすぎ」
明らかに焦る笹山に、委員長が呆れる。
しかも、クソ女神のことを様づけで呼んでるし。
女神と何かあったのは、間違いないな。
「うるせえっ! 女ども! 湊川みたいなクソ雑魚陰キャ野郎に付いていいのか? 今、俺のところに来れば命は助けてやってもいいぞ」
亜美、委員長、黒崎を見てながら、
笹山は犬のように舌なめずりをする。
「はあ? あんたなんか優斗の足元にも及ばない雑魚よ。あんたに付くなんて死んでも嫌」
「あたし、委員長だからハッキリ言うね。笹山くんは湊川くんよりずーっと弱いの。自分の弱さを認めないと、めっ、だよ?」
「さ、笹山くんは……ゴミクズ生きる価値なし。湊川くんに遠く及ばない。あたしは、湊川くんの側を離れない……」
三人から誘いを拒否された笹山は——
「お前ら……全員、雌犬に堕としてやる」
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