第42話 巨大スライムと戦う「す、すっごく大きいです……」

 コレットのおかげで、迷宮をサクサク攻略する俺たち。

 

 次のフロアへ上がると、今度はスライム系モンスターがたくさんいて。


「スライムばかりで気持ち悪いですね……」


 委員長が俺の腕を掴む。


 むにゅう……!


 委員長の大きな「スライム」が当たりまくってくるが、


「優斗……っ! あたしもスライム苦手だよおおおおっ!」


 亜美も俺の腕を掴んで。


「そうなのか……? 最初の頃は普通に倒していたような?」

「もお! 別にいいでしょ! 今は苦手になったの!」


 (なんだか最近の亜美は変だな……?)


 俺が首を傾げていると、


「すらああああああああああああああ!!」


 俺たちの目の前に、巨大なスライムが現れる。


「す、すっごく大きいです……」


 黒崎が俺の服を掴む。


「主人よ、我に任せよ」


 ――業火の息吹!


 コレットが激しい炎を吹くが、


「すらあああああああああああああああああ!」


 巨大スライムは、炎をすべて吸収してしまう。


「すらあああああああああああああ!!!」


 炎を吸収した巨大スライムは、さらにでかくなって……


「なんなの……このスライム。あたしも火を吹いて――」


 亜美が【火炎のブレス】を使おうとするが、


「待て。このスライムは普通とは違うみたいだ」


 俺は亜美を止める。


 まずは、【鑑定】をやってみよう。


 ――鑑定、アクティベート!


 名称:スライムキング

 レベル:50

 スキル:吸収、分裂、魔法攻撃耐性(強)、物理攻撃耐性(強)


 魔法攻撃と物理攻撃に、強耐性がある。


 あとは……スキルの【吸収】と【分裂】が気になる。


 一週目の攻略の時は、こんなスキルを持ったモンスターはいなかった。


 (今回は何かがおかしい……)


 やはり一周目とは出現するモンスターが違っている。


 クソ女神の仕業か……?


「すらあああああああああああああああああああああ!!!」


 スライムは雄たけびを上げると、


 ――ぼおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!


 口から火を吹きだす……!


「みんなっ! コレットの背中に乗るんだっ!」


 俺たちはコレットの背中に乗り込んで、


 空中へと逃げる。


「どうして……? 突然、火を吹くなんて……」


 亜美がスライムキングを見ながらつぶやく。


「……たぶん、アイツのスキル【吸収】のせいだ」

「どんなスキルなの?」

「対象のスキルを、自分のものにできるみたいだ。さっき吹いた炎は、コレットの【業火の息吹】と似ていた」

「じゃあ私たちがスキルを使えば、あのスライムが強くなるってこと?」

「そういうことになるな……」


 かなり厄介なモンスターだが……


「大丈夫だ。俺に策がある」




 

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