第41話 笹山、裏切られる「素っ裸になって、俺に【奉仕】しろ。それで許してやる」 追放者視点

「がは……っ!」


 ゴーレムの拳を喰らって、壁にめり込む笹山。


「ごれええええええええええええええええwww」


 ゴーレムは、大に笹山を嘲笑する


【イキってたくせに負けてる……】

【笹山! クソ雑魚っ!】

【早く死ね】


 クラスメイトから罵倒される笹山であった。


「クソ……っ! この最強の俺が、負けるわけが……」

「ごれえええええええええええええええええ!!!」

「ぐは……っ! がは……っ! があああああああああああっ!」


 笹山をボコりまくるゴーレム。


【おい。やべえよ……】

【笹山、死ぬじゃん】

【弱すぎるだろ……】


 クラスメイトは、笹山の敗北を悟る。


 笹山がゴーレムに殺されたら、その後……クラスメイトも殺される。


「嘘でしょ……あんなに強そうな見た目なのに……」


 桜庭も絶望した顔をして。


「あたしたち……このままじゃ死ぬわ…逃げるっ!」


 桜庭はボス部屋から逃げ出す。


 今なら、ゴーレムは笹山をボコることに夢中だ。


「がは……っ! ぐふ……っ! に、逃げるなあああああああ!!」


 笹山の叫びを無視して、桜庭とクラスメイトはボス部屋から逃げた。


「また俺を裏切ったなああああああああああああ!!」


 見捨てられた笹山……


「ごれえええwwwwwwwwww」


 ゴーレムも置き去りにされた笹山を嘲笑し、


「ぐふう……っ!」


 さらにボコっていく。


 (この俺を裏切るとは……許せない)


 ドス黒い感情に、笹山の精神は侵されていく。


 絶望――

 

「あはっ! 絶望して強くなあれ♡」

「…………っ!」


 一瞬、女神の声が聞こえるような気がして。


 その時――


【レベルアップしました!】

【レベルアップしました!】

【レベルアップしました!】


 笹山のレベルが急速に上がって、


 (なんだこれ? ものすごい力が溢れてくる……)


「ヘルファイアああああああああああああああああ!!」


 ゴーレムに炎を放つ。


「ごれええええええええええええええええええええええええええええええ!!!」


 ゴーレムは消滅した……。


「……ははは。ははははははははっ! 俺は勝ったっ! 勝ったぞ!」


 めちゃくちゃ喜ぶ笹山。


 (やっぱり……俺は女神の言う通り「最強」だったんだ)


 己の強さを、確信する笹山――


「さあて……裏切り者どもを【処刑】しにいくか……」


 ★


「ふう……なんとか逃げ切れたわね……」


 桜庭とクラスメイトたちは、なんとかボス部屋から脱出できた。


【笹山のやつ、イキってくせに雑魚すぎだろ】

【雑魚すぎてムカつくわ】

【マジで死んでほしい……】


「誰が死んでほしいって――」


 次の瞬間。


【ぎゃあああああああああああああああああああ!!】


 クラスメイトたちは、炎に包まれる。


 桜庭以外のクラスメイトは、全員、灰となってしまった。


「笹山……あんた生きてたんだ……」


 笹山の放つ禍々しいオーラに、桜庭は恐怖で足が震える。


「桜庭、お前は俺を二度も裏切った……」

「ご、ごめん。笹山が負けると思って……」

「殺す」

「ひい……っ! やめて。あたしと笹山は、友達でしょ?」


 壁際まで笹山に追い詰められて、桜庭はビビりまくる。


 そして、笹山は衝撃的なことを言う――


「……桜庭、脱げ」

「えっ?!」

「素っ裸になって、俺に【奉仕】しろ。それで許してやる」

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