第40話 ブラックドラゴンに乗って無双する。

「ふう……これは楽だなあ……」


 俺たちはコレット(ブラックドラゴン)の背に乗って、


 迷宮の中を飛んでいた。


「オガァ!」


 もしモンスターが襲ってきても、


 ――業火の息吹!


 コレットは口を開き、火を吐き出す。


「おがああああああああああああああ!!」


 オーガは火だるまになって、一瞬で灰となった。


 おかげで俺たちはモンスターと戦うことなく、フロアを上がっていける。


「このクソドラゴン……まあまあ強いじゃない」


 亜美が不満そうな顔をする。


 どうやら亜美は、コレットのことが気に入らないようで。


 理由はよくわからんが……

 

 コレットをテイムできたのは本当によかった。


 迷宮を脱出してからも、コレットの力は必ず役に立つ。


 (他のドラゴンもテイムしたほうがいいかな……)


 あのクソ女神が、何をしてくるかわからない。


 魔王とやらを倒した後も、無事に俺たちを元の世界に戻してくれるかどうか……


 たぶん、すんなりと帰してくれるわけがない。


 きっとクソ女神は、何かあくどいことを仕込んでいるに違いない。


 だから少しでも迷宮にいる間、戦力を強化しておかないと――


「湊川くん、湊川くんっ! 聞いてるーっ?」


 委員長が俺の耳元で叫んでいた。


「あたしのこと無視するなんて……酷い!」

「ごめん……考えごとしてたんだ」

「ふーん、どんなこと?」

「迷宮を出た後のことをね……」


 しかし、迷宮を出る前に、ボスが待っている。


 今の俺たちのレベルを考えれば、楽勝で倒せるはずだ。


 クソ女神が何もしてこなければ、の話だが。


「あたしたちのために、いろいろ考えてくれていたんだね。ごめんね……」

「いや、いいよ。ところで、委員長の話って何?」

「えっ?! えーと……」


 委員長の顔が赤くなる。


 すげえ恥ずかしそうに、もじもじして……


「……? どうしたの?」

「えっとね……さっき、コレットさんがあたしの……胸を【形がよくない】って言ったでしょ? その……湊川くんは、あたしの胸の形、どう思ってるかなって?」

「む、胸の形……っ?!」


 委員長は上目遣いで、俺を見つめる。

 

 俺がどう言うのか、心配になっているみたいで。


「で、湊川くんはどうかな? あたしのむ、胸の形……? やっぱりよくないかな……?」


 ずいっと俺に迫ってくる委員長。


 じーっ「…………」


 どうすりゃいいんだ?


 委員長の胸は……大きくて柔らかくてきっと掴んだらマシュマロみたいで俺の理想の大きさで――


 そんなこと、クラスメイトの委員長に言えるわけもなく。

 

「い、委員長……ずるい。あ、あたしの胸は、どうかな……? 好き?」


 黒崎も俺に迫ってきて。


 二人に挟まれて、逃げられくなった俺。


「亜美、なんとかして……」


 俺は亜美に助けを求めるが、


「そうね。この際だから、優斗にが好みか、決めてもらいましょうっ!」


 マジかよ……




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る