第33話 亜美、ゴーレムをブン殴る

「よし……ボス部屋に入るぞ」

「「「うん!」」」


 俺たちは装備を整えて、ボス部屋に入る。


「ゴレェ……!」


 ゴツゴツした岩の巨人、ゴーレム。


 前回はレベル30で挑んで苦戦したが、


 今回はレベル51だ。


「優斗……めっちゃくちゃ強そうだね」

「湊川くん、あたしたち勝てるかな?」

「ちょっと……ふ、不安」


 亜美、委員長、黒崎は、ゴーレムを見て怖がっている。


 たしかに俺も、最初に見た時はゴーレムのデカさにビビった。


 だが、今は……


 ただの【素材】にしか見えない。


 ゴーレムの身体から、装備を作る素材がたくさん取れるからだ。


「ゴレえええええええっ!」


 ゴーレムがパンチを繰り出すが、


 ピタ。


 俺は片手で受け止める。


「ゴレ……?」


 ゴーレムが驚いている。


 オークの肉を食って得たスキル【怪力】。


 力には力で対抗する。


「亜美……やってくれ」

「えっ?」


 俺はゴーレムの手をガッチリと掴む。


「あたし、何をすれば……?」

「ゴーレムを思いきっり、ぶん殴ってくれ」


 亜美は自信を失くしている。


 たぶん、委員長と黒崎が活躍しているからだと思う。


 でも、これまで亜美は、俺と戦ってきた。


 モンスターの肉も、一緒に食べてきたし。


「あたしに……できるかな?」

「亜美ならきっとできるよ。ゴーレムをボコボコにしてくれ」

「……うん! 優斗が言うなら、信じられる」


 亜美は笑顔で、拳を握りしめる。


「おりゃああああああああああああああっ!」



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