第26話 昔から優斗を好きなのはあたしなのに「あたしだって、優斗の役に立ちたい。優斗に褒められたいもん……」 亜美視点

「どうして黒崎さんの隣なの……」


 亜美は黒崎の隣で寝る、優斗を見つめていた。


 黒崎のおっぱい事件(?)があってからややあって、亜美たちはようやく横になる。


 (ていうか黒崎さん。メガネ取るとけっこう可愛い……)


 黒崎の寝顔を見つめながら、優斗のほうに黒崎が行かないか気になる亜美。


「胸もあたしより大きい……」


 亜美は自分の胸を、ぎゅっと掴む。


 (なんていうか、アンバランスなのよね。背はちっこいくせに、胸はすっごく大きくて。優斗、こういう子が好きなのかな……)


 スースー「…………」


 隣にいる有栖川の寝息が聞こえる。


「委員長も、おっぱい大きいじゃん……」


 有栖川の豊かな膨らみを、じっと見てしまう。


 (どれくらいなんだろう……?)


 亜美は有栖川の胸に、そっと手を触れると、


「ひゃあん♡ 湊川くんのえっち……っ!」

「ビクッ!」


 有栖川の思わぬ反応に、ビクッとする亜美。


「いったい、どんな夢見てるの……?」


 よだれを垂らしながら、幸せそうな顔で眠る有栖川。


 (大きさは、Fカップはあったかな……?)


 ふうっと、亜美は深呼吸して、


「あたしも、負けちゃいられない……」


 有栖川は【経験値分配】で、自分たちのレベルを大幅に上げてくれた。


 黒崎は【シーカー】で、ダンジョン探索に大きく貢献している。


 (あたしだけ、何もしていない……)


 二人は有能なスキルで活躍して、優斗に褒められているが、


 亜美は、二人ほど優斗に褒められていない。


「あたしだって、優斗の役に立ちたい。優斗に褒められたいもん……」


 優斗は亜美に「いるだけで助かる」と言っていた。


 だが、亜美は「いるだけ」では嫌だった。


 (あたしも優斗を助けたい。だってあたしは、優斗のことを昔から——)


 再び優斗のほうを見やると、


 (…………!)


 なんと黒崎が、優斗に抱きついて。


 たわわな胸が、ぎゅうぎゅう優斗の身体に押しつけられている。


 (な、な、な、なんて羨ま……ケシカランことしてるのーっ!)


 思わず叫びそうになるが、


 なんとか自分の口を押さえる。


「もう……黒崎さん。大胆すぎ……」


 (このままじゃ、【あたしの】優斗が盗られちゃうかも……)


 さっき起きてる時も、黒崎は優斗の顔を胸に埋めた。


「地味で目立たないけど、【こういうこと】には積極的なんじゃ……?」


 静かに黒崎に近づいて、


 黒崎の身体を、優斗から引き剥がそうとするが、


「……えっ? は、剥がれない……っ!」

 

 黒崎の腕は、優斗をガッチリ掴んで離さない。

 

「むにゃむにゃ……優斗くん。もっと気持ちよくしてあげるね♡」


 しかも、大胆すぎる寝言が聞こえて。


 (気持ち良くって……どんなやらしー夢なのっ! ていうか、チャッカリ名前で呼んでるし……!)


 いろいろ想像(妄想)してしまい、顔が真っ赤になってしまう。


「仕方ない……」


 亜美は布団を持って、反対側に移動する。


 黒崎は優斗の左側にいるから、自分は右側に。


「優斗を守るためだもん。幼馴染の義務だからっ!」


 そう自分に言い聞かせながら、


 優斗に抱きつく亜美だった。



――――――――――――――

【感謝&お願い】

1章完結です!

ここまで読んでくださったみなさま、ありがとうございます!

2章もサクサクとテンポよく進めていきます!


「主人公が無双して周囲を見返すのが楽しみ!」

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