第21話 【悲報】笹山、レベルダウンしてモンスターに勝てない😱 追放者視点「ど、どうして……? 昨日はワンパンだったのに?」

「はあ、はあはあ〜〜よかったよ。久図美」

「ふふ♡ もっと気持ちよくしてあげる♡」


 笹山は尻加とベッドでよろしくしていたが、


「ちょっと! ご飯の用意くらい手伝ってよ!」


 女子の一人が、笹山を怒鳴りつける。


 (クソっ! いいところだったのに……!)


「うるせぇなあ……俺は戦闘で疲れてるんだ。飯の用意は、お前の仕事だろ」

「そうそう。笹山くんはみんなのために頑張ったのよ?」

「じゃあ……尻加さん、手伝って」

「はあ? あたしは笹山くんを癒す仕事で忙しいのっ!」

 

 男子たちと桜庭が抜けてから、


 笹山の元に残った10人の女子たちは、二つの階級に分かれた。


 ひとつは、貴族階級。


 貴族(?)として、笹山を(夜に)癒す代わりに、雑用は免除される女子たち。


 もうひとつは、奴隷階級。


 奴隷のように雑用を押し付けるられる役だ。


 元々は奴隷の女子たちは貴族階級だったが、


 奴隷役の男子たちが全員消えてしまったから、奴隷階級へ落とされてしまった。


「奴隷ちゃんたち、美味しいご飯作ってね〜〜♡」

「「「「「ぐぬぬぬ……っ!」」」」」


 奴隷の女子5人は、笹山と尻加にヘイトを貯める。


「んっ? なんだその態度は? 俺はお前らを守ってやってるんだぞ。追放されたいのか?」

「「「「「……………」」」」」


 追放、即ち、死——


 経験値は笹山が独占しているから、女子たちはみんなレベル1のままだ。


 当然、モンスターと戦っても勝てない。


 序盤のフロアで雑魚モンスターを倒せばよかったのだが、


 笹山に守ってもらうことをいいことに、地道なレベル上げをしなかった女子たち。


 奴隷扱いされて後悔するが、もう遅かった。


「オガァァァ!」

「きゃあああっ! モンスターよ!」


 女子の一人が叫ぶ。


 オーガが、物陰から現れた。


「やっと来たな。よし。ちょっと活躍してくるか!」


 笹山はバスターソードを手にする。


 (うん? やけに重たいな……)

 

 昨日バスターソードを握った時よりも、かなり重たく感じて。


 (疲れが溜まっているからか……?)


 一抹の不安を感じながらも、


 オーガと対峙する笹山。


【笹山くん! 頑張って!】

【かっこいいー!】

【オーガなんて楽勝よ!】


 声援を贈る、女子たち。


 笹山が戦っている時は、女子たちは応援しなければならない。


 もし応援しなければ、追放されることに……


 (うんうん。女子に応援されると気持ちいいな!)


 と、ホクホク顔になりつつ、


 笹山はバスターソードを振り上げる。


 オーガなんて一撃で倒せるから楽勝——


 そう思っていたが、


 ガキんっ!


 オーガの腹を切り裂くつもりが、


 逆に、弾き飛ばされる。


「おわっ!」


 勢いよく吹き飛ばされる笹山。


 (ど、どうして……? 昨日はワンパンだったのに?)


 オーガはニヤリと笑う。


 弱い獲物を、見つけた時の目をして——


 




 

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