第25話 灯り

 灯りの下で、本を広げる。

 寒い今の時期は、夜は布団に入ってゆっくり読書に限る。

「何読んでるの?」

「ん。冒険小説だよ。カッコイイよねぇ、冒険!」

「また旅行とか行かないの?」

「旅行と冒険はちょっと違くない? まぁでも、私基本出不精だからなー」

 この間の旅行だって、ネットの友人と会うためのものだったし。

 ナツメさんは布団の上でごろりと転がり、「一緒に旅行とか行けたらいいのにね」と笑った。

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