第24話 センタク

 胸につっかえていたものが取れて、いつもの日常が帰ってきた。

 結局、私はナツメさんの答えを聞いて、橘さんからもらった名刺をシュレッダーにかけた。

 きっともう、二度と会うことはない。

「洗濯物干しておいてくれる?」

「はぁい!」

 お母さんの声に返事をし、一階に下りる。

 洗濯物を一枚ずつ広げ、庭に干す。風で揺れる洗濯物に、庭先に居ついた猫がじゃれているのをスマホのカメラに収める。

「ナツメさん、今日の夕飯ハンバーグだって」

「やったー! お母さんのハンバーグは世界一だよ!」

 ナツメさんは生首だけど、よく食べる。夕飯を少し取り分けてナツメさんに食べさせているのだ。お気に入りはハンバーグとエビフライらしい。

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