第17話 額縁

 今日は個展に来ていた。

 父親が仕事先でチケットを貰ったとかで、面白そうだと私が手を挙げたのだ。

 リュックサックにナツメさんを入れ、チャックを少しだけ開けて隙間を作る。

 額縁に飾られた絵はどれも女性の絵だった。

 何より驚いたのは、その女性がナツメさんに酷く似ていることだった。

 白く透き通った肌、左目の二つ縦に並んだ泣きぼくろ、烏の濡れ羽色の髪の毛。

 似ている――いや、これはもしかして、ナツメさん……?

 以前、ナツメさんが言っていたことを思い出す。

『生まれ変わって探しに行くとは最期に言ってたな』

 まさか――ナツメさんの幼なじみの彼? 

 チケットに記載された個展の主催者の名前を見る。

 ――橘秋人。

「ナツメさん、この絵の女性、ナツメさんに何だか似てない?」

 周りの人のこともあり、小声でナツメさんに話しかける。

「確かに似ているような気もするけと……」

 ナツメさんはイマイチピンと来ていない様子だった。

 橘秋人……。ナツメさんの幼なじみの彼なのか、私が確かめよう!

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