第10話 来る
兄貴が急遽帰って来るそうだ。
この間も私が頼んだとはいえ、ナツメさんの世話のために実家に帰って来ていたのに、実家に寄り付き過ぎやしないか?
休日を共に過ごす彼女でも居ないのだろうかと思ったが、兄貴がモテないのは学生時代からのことなので何も言うまい、と私は静かに目を閉じた。
「兄貴、今週末も帰って来るってさ」
「お兄さん、よく実家に来るんだねぇ。親孝行な息子だね」
「実家暮らししてる親孝行な娘がすでにいるんですけど?」
「君は一人暮らしをはじめた方がいいと思うよ。生活面で特に」
「ナツメさんが辛辣だ!」
ナツメさん、私の部屋から一歩も出ないのになぜ私が普段家事を母親に任せ切りなこと知っているのだろう。怖い。
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