第9話 つぎはぎ
部屋の整理をしていると、子供の頃着ていた洋服が出てきた。
「懐かしー!」
「わ、小さいねぇ」
「そりゃ子供の時の服だもん」
よく走り回る子供だった私の服は、しょっちゅう転んでは破れていた。その度に買い替えるのは勿体ないからと、祖母がパッチワークのように新しい布を当ててくれた。
所々素材の違う布が当てられた洋服は、まるで私だけのオリジナルのようで、子供の頃は嬉しかったものだ。
「ナツメさんの子供の頃ってどんなだったの?」
「あたしはねぇ、よくいじめられてたよ。体が小さくて弱いから。でも、幼なじみの彼がずっと守ってくれてたんだぁ」
「うわ。惚気だ、惚気」
私の反応に、ナツメさんは嬉しそうに「うしし」と笑った。
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