第4話 温室
ナツメさんとはじめて出会ったのは、温室だった。
背の高い大きな植物に絡まるようにぶら下がっていたナツメさんに、最初は悲鳴を上げたものだ。
「降りられないの」
そう言って情けなくめそめそと泣く生首に、何だか体の力が抜け、私は絡まった髪の毛をそっと解して降ろしてやった。
「ありがとう、助かったわ」
にこりと微笑むナツメさんは儚げな美しさがあり、庇護欲を駆られた私はつい「家に来る?」と声をかけてしまったのだ。
ハンバーガーを三個平らげペラペラとよく喋る生首だとは思っていなかったので。
それでも、ナツメさんが家にいることが今や当たり前のようになっている。慣れとは怖いなぁ。
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