第32話 宣伝
「すごーい!! 凄いですよ!! 美羽さん!!」
純ちゃんがこちらに走ってきて……抱き着いてきた。
『祝福のハグだああああああああ!!』
『素晴らしい……』
『かっこよかったよ美羽さん! ¥6000』
コメント欄が滝のように流れ始め、もはや目で追いつけなかった。
「にしても、このドローンカメラ凄いですよ! 美羽さんが戦う姿、ずっと追いかけてましたから!」
「へぇー……」
純ちゃんの言葉で、これが企業案件だったことを思い出した。
純ちゃんやっぱプロだな……企業の宣伝もすかさず行うなんて……。
『確かに、ずっと美羽ちゃんを追いかけてたね、他のカメラだと全然追えないこと多いよ』
『センテンドー製がやっぱ一番だわ』
『買うか迷う……』
視聴者的にもカメラの性能は相当の物らしい。
わ、私も何か言わなきゃ……。
「た、確かにこのカメラ、ずっと追いかけたね! これほど性能の良いのは無いと思うなー……」
『なんか美羽ちゃんが言うとステマっぽく聞こえる』
『美羽ちゃん無理やり言葉出してない?』
『なんか草』
……ちょっとコメント! ステマっぽいって何!?
……もうちょっと宣伝のやり方とか勉強しよ。
「と、いうわけで、切りのいいところで! 次は美羽さんのチャンネルでセンテンドーランドを楽しみたいと思います!」
「そ、そうだね!」
純ちゃんの言う通り、この辺で言ったお開きにして、次は遊園地で配信しようか……。
「今回の配信が良かったら高評価よろしくね! 以上井上純と……」
「百地美羽でしたー! これにて後免!!」
ドローンカメラに向かって手を振り、私はライブオフを唱えた。
私は百地美羽から冴えない会川靖子の姿に戻った。
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