第31話 リザードマン対Vtuber

「さぁて皆さん! あっちに見えるのは何だかわかりますか?」

『リザードマンじゃね?』

『やば……めっちゃ強い奴やん』

『一体だけだけど相当だぞ』


 純ちゃんはカメラに向かってアピールをする……前に見えるのは、リザードマンなる爬虫類型のモンスターだった。

 リザードマンは、棍棒を構え、こちらには気づいていないようだったが、相手にするのはヤバそうだと一目で分かる……だって、見るからに屈強で、片手で何かを粉砕できそうな感じしてるもん……。


「じゃ、ここは強くなった美羽さんにやっていただきましょう!」

「えぇ!?」


 なんで私!? こういうのってプロの純ちゃんがやったほうが……。


『確かに今の美羽ちゃんならできそう』

『イノジュンなら一発だし、美羽ちゃんの活躍が見たいかな』

『純様お墨付きの美羽さんならできるよ!』

『さっきの追尾弾みたいなクナイ攻撃見せて』


 コメント欄は私の活躍を見たいようだった……仕方がない、ここは受け入れよう。


「じゃ、じゃあ! 私やります!」

『うおおおおおおおお!! 美羽ちゃん頑張れ!!』

『頑張れ美羽ちゃん!』

『美羽さんならいけるよ!』


 コメント欄は私を迎えるように声援で溢れかえった。


「よ、よーし! 行きますよ!! おりゃああああ!!」


 私は携帯を操作し、刀を構えた。

 突撃してきた私に反応し、リザードマンは咆哮を上げ、こちらに向かって突撃してきた。


「食らえ!!」


 私が刀を振り下ろすと、奴は棍棒を盾にし、抑えつけた。

 そのまま奴は私に蹴りを加え、私は吹っ飛ばされてしまった。


「うわぁ!?」


 私は咄嗟にけん制し、押し出されながらも攻撃を受け止めた。


『あぶねぇ』

『美羽ちゃん頑張れ!』

『迫力満点、最高! ¥500』


 コメント欄はさらなる盛り上がりを見せている……ここは勝たないとヤバいじゃん!


「ふふふ……そんなんで終わり? まだまだだね!」


 私は携帯を操作し、手裏剣を装備した。

 すかさずそれを投げると、奴の片眼に命中し、奴はもがき苦しみ始めた。

 今がチャンスだ!


「決めるよ! おりゃあああああああ!!」


 私は刀を構え、それを振り下ろした。

 すると、奴は真っ二つになり……魔石の姿に変わった。

 あ、改めて考えると……中々えぐい事やっちゃったな、私……。

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