第4話 300円④

いつものようにみんなが練習終わりにジャンクフードを食べているのを涎を飲みながら見届けたあと、おれは家に帰り、洗濯ものを畳んでいた母のとなりに座った。


とくになにも言わない母におれは涙を堪えながら言った。


「あのね…練習が終わったあと、みんなでコンビニに行くんだけど、おれだけ何も買えなくて…」


おれは申し訳ない気持ちでいっぱいだった。なぜなら、母は夜ごはんも、お昼のお弁当もおれのために用意してくれていたからだ。それだけで十分だった。本来、コンビニでジャンクフードを食べる必要はないのだ。


おれは続けた


「みんなが食べてるのを、おれだけ見てるのが惨めで、悔しいんだ…」


母は黙って聞いていた。


「別にお母さんは悪くないんだよ…ごめんね」


複雑な感情がおれの眼から溢れてしまった。


すると母はおもむろにケータイを取り出した…

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