第86話
織田
「よし、斬り捨てよう」
織田
「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい」
織田
「うるせー!」
「許してください。お願いします。ボディ洗いでも、添い寝でも、夜伽でも、
「それ、全部、おまえがやりたいことだろが!」
「うっ」
俺の剣幕で織田が
「
花凛が、持ち前のやさしい性格を発揮して言う。「それに、ここはダンジョンの中じゃないから、むやみに人を傷つけたら警察に捕まっちゃうよ」
「まあ、それはそうなんだが……」
「そういえば、
「うーん、どうかなあ……」
今、俺がパーティを組める信頼できるメンバーは、花凛、翔子、
ゲーム『ファースト・ファイナル』のフルパーティは8人だった。
今の俺の目標は、ゲームのようになってしまったこの現実世界で、俺のステータスをカンストさせることだ。
レベルがさらにあがって、これからダンジョン深層にいくともなると、ソロでも狩れないことはことはないが、やはりフルパーティのほうが、ずっと楽だし、レベリング効率もよくなる。
信頼できるパーティメンバーは、もっと欲しいところだ。
俺の秘密を、絶対に漏らすこともないという意味では、非常に貴重な存在なのかもしれない。
「おまえも、俺達といっしょにダンジョン攻略に参加するか?」
「はい。もちろんです。なんでもします!」
「あと、織田さん、黙って
お人好しの花凛が話しかける。
「ほんと?」
花凛の話をきいて、織田が俺の表情をうかがってくる。
「まあ、花凛がいいって言ってんなら、俺はかわまないが……。でも、俺のいないときは、ちゃんと花凛の言うことを聞くんだぞ。おまえに対する花凛の指示は絶対だ。花凛の命令は俺の命令だと思え」
「わかりました」
「え~~~っ、奥様?!」
「早瀬さんは、直さまの正妻だから、奥様で」
「正妻って……」
花凛が顔をあからめる。
「あたしは、直さまの副正妻でいいので」
「副正妻ってなんだよ。勝手に変な言葉つくんなっ!」
俺のあげた声に
「織田さん、そんな、かしこまらなくていいんだよ。
「では花凛さま」
「さま、いらないよ」
「では、花凛ちゃん、あたしのことは
「うん、
花凛が
「ありがとう、花凛ちゃん、ほんとうにやさしいのね」
「ところで
「……ほとんどやったことないけど、ハンター協会発行のF級の許可証は持ってるわ」
「レベルは?」
「1」
「そういや、おまえの加護ってなんだったっけ?」
「あたしの加護は【経営】よ」
「経営?」
「家が事業をしてて、それを手伝ってるせいか、そんな加護がついたの。レベルが低いせいか、まだ固有スキルみたいなのは全然ないけど」
「おまえの家って、なにやってんだ?」
「デパートの織田屋ってしってる?」
「業界でも5指に入る老舗の百貨店だろ?」
「そこの社長が、あたしの父親」
「それは知らなかった。おまえ、金持ちのお嬢様だったのか」
「そうよ。驚いた?」
「驚いた。高そうな、ネックレスとかブレスレットとかしてるのって、パパ活でもしてるのかと思ってた」
「
こいつ、いかにも遊んでそうなギャルっぽい外見に似合わず、処女だからな。
☆☆☆
俺、花凛、
「わあー、何これ? 日常生活でも、ものの持ち運びがすごく便利になるんじゃない?」
花凛のときと似た反応だった。かなり興奮して驚いてる。
「アイテムボックスの機能は、他の人間には秘密だぞ。いいな」
「うん」
「で、なにか、やりたい
「
「普通は選べないから、加護で得られたスキルを使うしかないんだが、俺には加護ゲーム『ファースト・ファイナル』があるから、参加したパーティメンバーが、ゲームに存在した
「なに、それ超すごくない? ああーんっ、
「こんなところで、発情すんなっ。で、
「
「本当にいいのか?」
「うん」
俺が自由に決めていいとは、ありがたい。
今の俺のメンバーは以下のとおりだ。
・俺:両手剣物理アタッカー
・花凛:ヒーラー
・翔子:
・
「じゃあ、
「うん、わかった」
「ほんとうにいいのか?」
「いいよ」
「じゃあ、まずは、
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