第18話 おむすびころりん ①

まえがき


見てくれてありがとう!!

こんなん面白いんちゃう!と思って書いたけど、……さあ、どうなんやろか?笑

そもそもやけど 笑



§§§§



むかーし昔、ある所に、桶無おけない 澄仁すみにという青年が住んでいました。


彼が住んでいるのは古式ゆかしい日本式あばら家……は同居人からブーイングが出たので、システムキッチンに床暖房、温水洗浄便座が付いたおしゃれなお家です。

次世代型高性能ソーラーパネル完備で自家発電対応です。


そんな彼は、2人の女性と暮らしていました。

プラチナブロンドが美しい、10頭身はあろうかという美少女たちです。


この義姉妹……は本人たちにより却下されたため、2人とも澄仁の奥さまです。


「この時代でも重婚は認められてないんじゃ?」

澄仁の疑問は黙殺され、第一夫人リリアと、正妻レイミと仲睦まじく暮らしていました。



朝。

家がボロいのは嫌なくせに服がボロいのは気にならないらしく、昔話らしい、薄手の布を乱雑に前で合わせただけのプラチナブロンド姉妹が、澄仁を起こします。


澄仁の頭の方から四つん這いで覆いかぶさり、ゆさゆさと揺らすのは、リリア。

ゆさゆさする度に、ゆさゆさタプタプぷるぷるします。

前を合わせただけの簡単な着物では当然のように支えきれずおむすびじゃないのにころりんしてます。


澄仁は寝ているにしては不自然な程に固く目を瞑り、寝ているはずなのに全身が強張っています。


「兄さーん、起きてー。ほらほら、起きて立ち上がっちゃいなよー」

足の方から迫るのはレイミ。

その長い腕と、ほっそりとしたすべすべな掌を使って、澄仁の太ももや腰回りをすべすべと撫で回し、優しく起こします。


「oh!」

レイミの指が内ももに触れた時、澄仁が変な声とともにぴくんと跳ねました。


「ふぅん」

それを見たレイミがおもちゃを見つけた子猫のように目を輝かせると、指先をワシャワシャと動かし、チロチロと舌なめずりします。


「ここかぁ~」

ピクピクと跳ねる澄仁。

その動きがだんだんと動きが激しくなります。


「起きてよー」

「もぐぉ! ほごぉ!」

ついに奇声が上がる澄仁。

見るとリリアの弾力性と柔らかさを兼ね備えた質量兵器が澄仁の顔を押し潰していたのでした。



☆☆☆



「はい!じゃあいってらしゃい!」

「早く帰ってきてね」

『今は夫婦っていう設定なんだから、普通のことだと思う』という、妙に役割に積極的な2人からの猛撃を何とか振り払って、朝の支度を終えると、澄仁は畑仕事へ向かいます。


お弁当はおにぎりです。

料理上手な母に甘えている2人には、可愛いお弁当とか作れません。


その代わり、たっぷりの愛情と欲望を込め、しっかりと素手で握ったおにぎりを持たせます。


2人は家でお留守番です。

外に仕事に出てもいいのですが、ここは、治安の悪い日本の昔話の時代。


2人は世間が見たことのないであろうプラチナブロンド。

しかも、平均身長が150センチも無かったのではとすら言われる中にいて、170センチ近い高身長。


珍しいので人攫いもありますし、そうじゃなくても鬼だ物の怪だと石を投げられたりする可能性もあり、危ないのです。


仕方なく、澄仁を見送って、昔話に出てくるおばあさんよろしく裁縫に精を出します。使う布の量が少ないので、とってもリーズナブルです。

姉妹で仲良くワイワイと意見交換をしながら次々と端切れみたいな完成品が仕上がっていきました。


その隣で、お掃除ロボットが水拭きと乾拭きをして部屋を綺麗にしていました。


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