第13話 帝mikado
少年はかすかに笑みを浮かべ静かに話し始めた。
「私はこの世界を浄化する」
少年が続ける。
「争い、
なにを言っているんだ……
多岐川たちは年端もいかない十歳に満たないほどの少年の思考についていけない。
「私の考えに、ついてこれないか、旧式」
多岐川の方に目を向ける。
多岐川が岡崎に呟く。
「なにを言ってるんだ『Z世代』とか『ゆとり世代』とか、そういうことか」
神谷が多岐川に
「いや、ネアンデルタールとか北京原人から今の人類になったように、次の人類が今の人類に取って代わるということを言ってるみたいです」
葉山は何も言わずに少年の言葉を聞いている。
少年は続ける。
「人間は失敗や後悔をしながら成長する生き物とでも言いたいか? 今の人間は傷つけ合っても後悔などしない。他人の心などわからないからだ。もう人類が交代するときだ、旧式人類」
葉山が口を開く。
「おまえが、その新しい人類というのか。
「そうだ。と言っても旧式の頭ではついて来れないだろうがな」
「おまえが私たちの世界を浄化するというのか」
「そうだ」
「そうか、なら、私は新型人類のお前を倒すまでだな」
少年は微笑みながら葉山を見る。
「私を倒す? どうやって倒す」
葉山が微笑んで言う。
「呪術だ」
「ハハハ、呪術か。それは負けそうだ。昭和99年、2024年12月31日まで待ってやろう。年が明けるとき、お前ら人類を終わらせる。昭和100年、ミカドが世界を浄化する」
少年は人差し指立て円を描く様な仕草をした。
すると、三人の大男が霧の様に消えた。
そして、次の瞬間、彼のいる空間が歪み空気の中に溶け込むように消えた。
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