第2話-勇気がなかったばかりに...

「しょうがない。涼太だけに話そう」


 告白しようか困ってる人を見てると流石に話そうかなと腹を括りました。


「何をだ?」


 自分は深呼吸をしてから話し始めました。


「自分な、中学の時に好きな人がいたんよ」


「え!?」


 流石に涼太もびっくりしたようで声を上げました。


「それで付き合えたの?」


「ううん。付き合えなかった。自分に勇気がなかったばかりに」


「そ、そうなんだ。でも小学生の時に告ってたんでしょ。なんで急に勇気が無くなったの?」


「小学の時と中学じゃ全然違ったよ。今でも後悔してるよ」


「そうか...辛かったな」


 その一言だけで自分は泣きそうでした。誰にもこのことを話しておらず、慰められたのも初めてだったからです。それでも、自分は深呼吸をし直してから話し始めました


「なあ。頑張って告白してみないか?お前が美桜の事好きなうちに」


「...でもいつ告れば...」


「今年中に告ってみろ。まだ1ヶ月ちょいあるから頑張れ」


「...」


「自分は涼太にまで辛い思いして欲しくないんだ。だから頼む。勇気を出して告ってみないか?」


「...ちょっと考えさせてくれ」


 その一言を境に通話は終わりました。



 その翌日、涼太から通話が来ました。


「もしもし?どうした?」


「昨日の話覚えてるか?」


「告白の件だろ?どうすることにしたんだ?」


「俺、告ってみるわ!」


「そうか。いつする予定なんだ?」


「12月24日。クリスマスイブに告る。その日終業式だし、もし成功したらクリスマスにデート誘ってみたいし」


「そうか。お前ならきっと行けるよ」


 自分は涼太が羨ましいなと思いました。自分も中学に戻って想いを伝えられたらなと思ってしまいました。


「(頑張ってくれよ、涼太)」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

暖かい雪 しゅら @Kimeji

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ